1年ぶりに迎える、石垣での朝。窓から差し込む眩さに起こされ外を眺めれば、すでに今日の青さを約束するかのような清々しい空。青い空、青い海、タンクと岸壁。まだ静かな朝の築港を見るこの瞬間が、意外と僕は好き。
1年ぶりとなる八重山の海との再会を目前に、もう居ても立っても居られない。そんな逸る気持ちを抑えつつ、まずは美味しい朝ごはんで腹ごしらえ。こちらのホテルでは朝食無料を謳っていますが、そうとは思えぬほどの郷土の味を交えた和洋のメニューが並びます。
そんな中から僕が選んだ今朝のラインナップはこれ。大好物であるもずく海苔をはじめ、丁度よい塩梅の豆腐チャンプルーやもずく入りのソーセージに卵焼き、ラフテーなどご飯にピッタリのおかずばかり。
さらには嬉しいことに白ご飯以外にじゅーしーもあり、これはもうおかわり必至コース。汁物もお味噌汁以外にお椀の八重山そばが用意され、朝から八重山の味を大満喫します。
案の定パンパンになってしまったお腹を落ち着け、時間に合わせてターミナルへ。人もまばらなバスに揺られること約20分、真栄里ビーチに到着。ホテルの横を抜ければ、低い木々の先に現れる青い奴。その輝きに心がはじけ、一目散に駆けだします。
青い。今年は本当に、青い。雲ひとつない夏空の下には、無垢の白さに輝く砂浜と、穢れを知らぬ石垣の海。この瞬間、1年という時が嘘のようにすっと甦る、胸を焦がすあの熱さ。
来られたんだ。本当に来ることができたんた。眩い青に全てを包まれ、紛れもなく今自分が八重山に居るという事実を噛みしめる。もうこれだけでいい。この青さに再び逢えただけで、またしばらくは頑張れる。
人もまばらなビーチには、寄せる波音と時折子供のはしゃぐ声が響くのみ。ゆらゆらと煌めく水面に目をやれば、遮るものなく注ぐ陽射しを一身に受け刻一刻と姿を変える光の紋様。
そしてついに迎える、この瞬間。1年間、僕はこの瞬間に思いを馳せてきた。足に戯れる心地よい海の鼓動に、待ち焦がれてきた八重山の海との再会を強く強く実感します。
快晴の空からは、青さと共に降り注ぐ強気の太陽。肌を灼くその感触は、皮膚を通して心にまで南国の力を届けてくれるよう。ビーチに転がり、南国チャージ。暑くなったら、青い海へ。この幸福を知ってしまうと、もう二度と忘れることなどできなくなる。
眼に肌に、心に感じる八重山の太陽。あまりにも眩い光に顔を背ければ、視界を染めるこの色彩。鮮烈。それ以外の言葉は、今は思いつかない。圧倒的な鮮烈さに、今はただ言葉を忘れて染まればいい。
唖然とするほど人もまばらな、今年の真栄里ビーチ。砂を駆ける人も少ないためか、歩くやどかりの姿も心なしかのびのびとしているよう。
天然の水色という水色を集めた、グラデーション。こんなに青い真栄里ビーチは、もしかしたら初めてかもしれない。例年にない静けさと共に、ここが市街地に位置するということすら忘れてしまいそう。
陽を浴びて、海に揺蕩う、ただそれだけ。このゆったりとした時間こそが、僕にとっての八重山の愉しみ。肌を灼く太陽、耳に届く波音、そして目を愉しませる南国の色彩。これらに自分を委ねれば、要らぬ何かを押しのけて八重山の空気が満たしてくれるよう。
今年は7泊、この先は長い。最初から日焼けしすぎると、後々残念なことになる。初めて八重山を訪れたときに得た教訓をもとに、早めにビーチから引き上げます。
その前に、振り返りもう一度。静かなビーチを染める清らかな青さに、純粋にここに居られることの嬉しさをただただ噛みしめるのでした。
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