石垣島で迎える2度目の朝。今朝も白い雲越しに青空が透けていますが、竹富島はすでに白く煙り雨の模様。今日は竹富行きは断念し、石垣島で過ごすことにします。
ベッセルホテル石垣島の海側、中層階以上なら島々が見えるのが嬉しいところ。雲の流れや雨の様子が見渡せ、朝起きてから今日の予定を立てるのにすごく便利なのです。
今日の行き先は真栄里ビーチに決め、それに向けて腹ごしらえ。今朝はお気に入りのじゅーしーが用意され、朝からさらに食欲アップ。豆腐チャンプルーや八重山そばといったおいしいおかずとともに、お腹いっぱい平らげます。
食後はのんびり漁港の方まで散歩し、用意を整えいざ海へ。バスターミナルから『東運輸』の空港線へと乗り込みます。ちなみに空港線は2系統あり、10系統がビーチ最寄りのANAインターコンチネンタルを経由しますが、今回は時間の関係で4系統に乗車します。
ターミナルから15分ちょっとの八重山庁舎前で下車し歩くこと10分足らず、2年ぶりとなる真栄里ビーチに到着。豊かな緑の先には白いパラソルが垣間見え、整備前だったおととしとは違いいつものリゾート感が戻ってきているよう。
久々に味わ逢う、この南国感。人工のビーチではありますが、市街地に隣接する場所にあるとは思えないきれいな砂浜。遠くには珊瑚礁と海の境界が左右にのび、そのラインを教えてくれるかのように広がる白い波。
沖から吹き続ける心地よい風を全身に浴びていると、頭上をかすめるジェットの音。空港から飛び立った飛行機は美しい石垣島をなぞるように、きれいに旋回してゆく。旅の始まったばかりの僕らは、その姿をビーチから眩しく眺める余裕がまだあるのです。
南向きに飛び立つときは、いつもきれいに市街地が見えるもんね。6日間という時間が残された僕らはそんなことを話しつつ、余裕綽々で2年ぶりの真栄里の青さに乾杯。でも僕は、この言葉を後悔することになるのを知っている。地上の楽園での6日間など一瞬に過ぎ、気づけばあの機内に居ることになるのだから。
白い雲から垣間見える青い空、その柔らかさを映したかのようにパステルブルーに染まる海。梅雨の名残り、全力の夏の手前。空の色、海の色、そして全身を包む空気の感じが、今はそんな時期なのだと教えてくれるよう。
強烈な熱さを感じないとはいえ、しっかりと着実に肌を灼く南国の陽射し。肩に火照りを感じ海へと浸かれば、その熱を収めてくれる程よい冷たさ。波のうねりに身を委ねていると、いつしか雲はどこかへと過ぎゆき一気に広がる夏の予感。
吹き続ける涼しい風、焦げる手前の程よい陽射し。波打ち際に座り足を投げ出せば、心地よいリズムとともに感じる海の清涼。ただただずっと、こうしていたい。そう感じさせる不思議な力が、八重山の海には宿っているとしか思えない。
脚に感じる八重山の鼓動、視界を染める天然色。力強さを感じさせる真夏の鮮烈なコントラストも最高だけれど、今日のこの柔らかさもまた美しい。昨日のコンドイビーチと同じく、心にすっと沁み入るような穏やかさに溢れています。
空からの陽射しに誘われて、右へ左へと行き交うたくさんのヤドカリたち。警戒心が強くすぐに殻に隠れてしまうのですが、しばらくじっと見ているとそのかわいい顔を見せてくれます。それにしてもヤドカリって、こんな表情をするんだ。「お、あっちに行ってみよっかな!」黒々とした大きな瞳からは、そんな気持ちが伝わるよう。
大きくなっていた雲が崩れ、遠くから聞こえてくる雷の音。来るぞ、きっとこれはもうすぐ来る。そう帰り支度をしていると、タイミングを計ったかのようにバケツをひっくり返したかのような強い雨。
屋根のある場所に避難し、世界を白く煙らす大粒の雨に南国を感じるひととき。空の感じが、これまで経験したスコールともなんだか違う気がする。こうして夏に近づいていくのだろうか。なびくように通り過ぎる雨のカーテンに、今まで知らなかった八重山の季節の境目を感じるのでした。
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