昨夜の宴の余韻に目をこすりつつ、今朝は頑張ってちょっとだけ早起き。バスの時間に間に合うようにさっと身支度を整え、朝食も食べずにホテルを出ます。
バスターミナルから『東運輸』吉原線のバスに乗ること約10分、長間橋バス停に到着。ここから昨日訪れた石垣島鍾乳洞方面へすこし歩けば、お目当てのお店の看板が現れます。
看板を右折した先は、鬱蒼とした林と延々と広がるさとうきび畑の間を一直線にのびる道。本当にこの先にお店があるのかな。などと思いつつ歩いてゆくと、僕らを追い越してゆく自転車にタクシー、レンタカー。その様子に、これから向かうお店の人気ぶりが窺えます。
バス停から歩くこと10分、多くの人々で賑わう『とうふの比嘉』に到着。ちなみに僕ら、遠回りしてきたみたい。昨日鍾乳洞の帰りに入口を見つけたのでそのルートを歩きましたが、長間橋バス停からだと一旦東に少し戻り北上するルートなら半分くらいの距離で済みそう。
ちなみにこのお店、相方さんが事前に見つけて気になっていたという有名店。7時半の到着時には満席で10人ほどが並んでおり、僕らが食べ始めるころにはもう売り切れていました。
出来立てのゆし豆腐が食べられるこのお店。奥には豆腐の工場兼厨房のような建物があり、客席はその前に広がる屋根付きのテラス。天井に扇風機の回る野趣あふれる雰囲気が、南国気分を一層高めてくれるよう。
メニューはご飯とのセットのほか、ゆし豆腐を使ったそばや味噌汁、ぶっかけ丼などから選べます。9時からは固めた島豆腐のチャンプルーやとうふ丼などもあるようですが、ゆし豆腐を食べたいなら早めの時間に来た方が良さそうです。
南国感溢れる情緒に身を委ねつつ待つことしばし、お待ちかねのゆし豆腐セットが到着。ゆし豆腐の大きさにより小から超まで選べますが、今回は大を注文してみました。
運ばれてきたのは、どんぶりにたっぷりと入れられたゆし豆腐と、のりたまご飯にたくあんといった至ってシンプルなもの。そして嬉しいのが、温かさの残る豆乳も付いてくるところ。
まずはそのまだ温かい豆乳を。うわぁ、濃くてまろやか。一歩間違えれば大豆臭さを感じる濃い豆乳ですが、臭みや雑味はなく旨味と香りのみ口に残して体の芯へと沁み込んでゆきます。
続いては、ふるふると揺れる出来立てのゆし豆腐を。固める前の島豆腐は水分を多分に含み、つるんとさらっと優しい食感。ほんのりと広がる大豆の香りも手伝い、なんとも穏やかさに溢れる滋味深い旨さ。
卓上には塩やしょう油、コーレーグースやピィヤーシなど様々な調味料が置いてあり、自分好みの味付けでこの豆腐を味わいます。特に自家製だという味噌がおいしく、お味噌を付けてひと口啜れば、大豆のおいしさの競演が口中に広がります。
僕は今回は頼みませんでしたが、一皿150円の付け合わせという小鉢も豊富。卵料理や炒め物、油味噌といったご飯のお供が揃い、それをおかずにご飯を食べ、汁物代わりにゆし豆腐を味わうといった食べ方が正解なのでしょう。
野趣あふれるロケーション、出来立ての温もり宿る豆の味。ここでしか味わえない優しいおいしさに満たされ、大満足でお店を後にします。
それにしても、もうすでにあっぢぃ。さっきまでは雨すら降っていたのに、もうこのカンカン照り。朝から八重山の陽射しに焦がされ、大汗掻きつつ歩きます。
もうひとつ、今朝のお出かけには目的が。ずっとずっと気にはなっていたものの、ホテルから微妙に遠い場所にあるため来ることのできなかった『知念商会』に立ち寄ります。
知念商会といえば、好きなおにぎりと揚げ物を組み合わせて自分でつくるオニササ。結論から言いましょう、知念商会の揚げ物は凄い。何じゃこれ!?と思わずコンドイビーチで顔を見合わせて笑ってしまったという感想は、次回の記事でご紹介。
7:10のバスに乗るためにちょっとばかり早起きしたけれど、今日は朝から凄い充実感。お土産のオニササを持ち帰り、ホテルで海支度をして港へと向かいます。それにしても、この青さ。眼を灼くこの色彩に、今日のあおさへの期待は昂るばかり。
『八重山観光フェリー』ちゅらさん2は、満員の乗船客を乗せ竹富島へと向け早めに出港。すぐさま続行便が接岸するほどの盛況に、混雑が苦手な僕も今はただただ嬉しく思うばかり。
7泊8日など、長いようであっという間。もう明日は帰京の日。船窓からでも伝わるあおさを見つめ、今年最後の竹富の夏を全身全霊で浴びつくす覚悟を固めるのでした。
コメント