会津若松での爽やかな目覚め。今日は雨予報ですが、今のところまだ雨は降っていなさそう。喜多方の街を散策するので、旅館に着くまでは何とか持って欲しいところです。
会津若松駅から、磐越西線経由新潟行きの快速あがのに乗車。一路喜多方駅を目指します。
刈り取られた田んぼと流れるすすき。秋の車窓をディーゼルの唸りと共にのんびり愉しむ、3両編成ローカル線の旅。夏の元気一杯の車窓と違い、秋の車窓には何となく人を物思いに更けさせる力があります。
会津若松から20分足らず、喜多方駅に到着。今までばんえつ物語号に乗って通り過ぎるばかりで、ずっと来てみたかった初めての街。これから訪れるであろう未知との出会いに胸が躍ります。
今日は宿まで10kmちょっとの道のりを歩く予定。まずは腹ごしらえといきます。
喜多方といえば、やっぱりラーメン!数あるラーメン屋さんの中からどこに行こうかかなり迷いましたが、駅から近く評判の良さそうな『食堂なまえ』にお邪魔することに。見た目は小さな食堂で、メニューもラーメン以外に色々とあります。
待ちに待った喜多方ラーメンとのご対面。今回は極太の手打ち中華を注文。
驚くほど透き通った薄い色のきれいなスープ。一口含むと、シンプルながら深い味が広がります。鶏と豚でだしを取っているようですが、動物臭さは無く旨味のみを感じられます。所々浮いている油も透明で嫌味の無いもの。
相当丁寧にスープを取られているのでしょう。そんなシンプルなスープに感じるしょう油の旨味。しょう油の風味がスープをきりりと締めてくれています。
そんな黄金色のスープに沈む、目を引く手打ちの極太麺。かなり太いのですが、硬いということは全く無く、ちゅるんとした舌触りともちもちとした弾力が美味しい麺です。
これだけ麺が太いとスープとの絡みが心配になりますが、しっかりと縮れているので、適量のスープを口へと一緒に連れてきてくれます。もぐもぐ噛めばスープと小麦の香りの織り成す幸せが口いっぱいに広がります。
具もシンプルなチャーシュー、メンマ、ねぎ、そして滅多に見なくなったなると。スープと麺が美味しいラーメンには、必要最低限の具だけで充分ですね。これでお値段520円也。極太ではない普通の麺なら500円で食べられます。
個性たっぷりのご当地ラーメンを想像して行くと、喜多方ラーメンはちょっと物足りなく感じるかもしれません。喜多方ラーメンはこれ!という定義は無く、お店によってお勧めの味も様々だそう。
ただ、共通しているのは喜多方の美味しい水で作ったスープと麺であるということ。だからこそ、ここまでシンプルで美味しい澄んだスープと、モッチモチつるつるの麺が作れるのでしょう。
喜多方の街にはラーメンが溢れています。ラーメン屋さんだけでなく、このような大衆食堂でも食べられている市民食。この安さと飾らない美味しさが、人々に愛される理由なのでしょう。なんだか心までほっこりするような、滋味あふれるラーメンでした。
初めての喜多方ラーメンとの良い出会いを果たし、蔵の街喜多方散歩を始めます。
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