岳の名湯に身も心も癒され、すっきりとした朝を迎えました。温泉入浴は思った以上に体力を使うので、お腹はもうぺこぺこ。気持ちの良い朝風呂を楽しみ、朝食会場へと向かいます。
シンプルな和の献立が並ぶ朝食。いつもは忙しいこの時間にのんびり朝食を頂く。普段の生活では味わえない幸せです。
朝食後部屋でごろごろしつつ今日の行程を考えていると、ここから今夜の宿のある土湯までは国道で繋がっているんだよな・・・。ふと思いつき、携帯のナビで距離を調べてみることに。
そうしたら距離は12kmと、全く歩けてしまう距離。ということで、紅葉を愛でながらの徒歩に予定を急遽変更。出発前にこんな変更ができるのもひとり旅の気楽さです。
これからしばらくは、秋真っ盛りの福島の紅葉をメインにお伝えしたいと思います。
歩き始めてすぐにある岳ダム。この辺りも少しずつ色づき始めていました。
歩道沿いには小さな栗のイガがたくさん落ちています。こんな小さなものも、秋を彩る大切な役者のひとり。
抜けるような青い空に、眩しい黄緑の牧草地。奥の山々はすでに色とりどりに彩られています。
道は、燃え盛るような紅葉に包まれた安達太良山を真正面に捉えつつ進みます。写真ではあの色彩をお伝えできないのが悔しいほど。この景色を眺められただけでも、今回歩くことを決意した甲斐があったと思えるほどの絶景でした。
高原の雰囲気漂う長閑な道沿いには、草を食む親子馬が。車では気がつかないような小さな風景に出会える。歩き旅もなかなかいいものです。
道はだんだんと山の懐へと入り、両側に色づいた木々が迫り始めます。
燃え盛る紅葉越しに見る、秋の澄んだ青空。木々は今年最後の力を振り絞り、日本の秋を精一杯彩ります。
針葉樹に囲まれ、ひと際目立つオレンジ色。一面の紅葉も美しいですが、緑に引き立てられた紅葉もまた美しい。
道は緩やかなペースで標高を上げ、まさに見ごろを迎えた紅葉がいたるところに並んでいます。
流れを彩る色とりどりの木々。ひとくちに紅葉と言っても、木々の持つ色は様々であることが分かります。
視界が一気に開け、遠くの街並み、山並みが一望の下に。本当に緩やかな坂でしたが、ここまで登ってきたことを実感させてくれます。
道は、道の駅つちゆで頂点を迎えます。道の駅で休憩を取る前に、この豊かな森の中へ少しだけお邪魔してみることに。
色づく木々に囲まれた静かな木道を、のんびり、ゆっくりと散策。
赤い実をつける黄葉と、燃えるような赤の紅葉。何故木々たちは、まっ白な冬を迎える前に、これほどまでの輝きを見せるのでしょうか。そこに木の意思があるように思えてなりません。
緑から紅へ。自身の身を染めてゆく、まさにその瞬間を見ることができました。
全身を赤に染め上げた木。まもなくこの木は散ることでしょう。日本の秋は美しくも儚い。胸に来ます。
ここまで来れば土湯はもう少し。紅葉真っ盛りのこの場所に建つ道の駅つちゆでひと休みすることにします。
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