青い空に白い雲、刻一刻と色彩うつろう碧い海。楽園というものを具現化したかのようなコンドイビーチの美しさに時が経つのも忘れ、気づけば3時間近くのんびり過ごしていました。
しっかりと肌に宿る南国の熱。これ以上陽射しを浴びると後々大変なことになりそうなので、名残惜しくも今日のところは帰ることに。いつもなら東屋に集う人に群がる猫も、気持ちよさそうに風と波の音を聞きながらすやすや昼寝。
本当に、静かだなぁ。お昼過ぎにしてようやくSUPを楽しむ人が来たものの、こんなに穏やかなコンドイビーチはきっと今年限りのはず。ビーチを離れる前に、今一度この貴重な鮮烈を目に心に焼きつけます。
再び島の外周道路をのんびり歩き、西桟橋に立ち寄ることに。そのアプローチへと足を踏み入れた瞬間、目に飛び込む青さの層。まるでみんさー織りを思わせる見事な色彩に、思わず息を呑み立ち尽くしてしまう。
かつて西表島への行き来のために造られたという西桟橋。普段なら観光スポットとして賑わうこの古老も、今はただ西表へと続く海路の名残りを見つめて静かに佇むのみ。
この旅初の竹富島で海の青さを存分に吸い込み、港目指して集落へと歩みを進めます。例年なら、決して見ることのできないこの姿。自転車の往来激しい集落内も、今年はひっそりとした空気に包まれています。
夏空に、白い雲と赤瓦。珊瑚の石垣、ハイビスカス。竹富島を凝縮したかのような鮮烈な光景に、何があろうとも季節は巡り夏が来るという事実を噛みしめます。
いつもなら竹富の風景に旅情を添える水牛たちも、今はおうちでお休み中。人の声も、三線の音もない、静かな集落。時折吹く風が木々の葉を揺らし、その音だけが耳へと届きます。
道端に咲く、艶やかな百合。ごつごつとした石垣や砂の道には様々な草花が宿り、競い合うかのように石垣の黒さや砂の白さに鮮やかな色味を与えます。
全体的に平坦な島の中で、こんもりと小さな頂きを持つ赤山。頂上からは、石垣に赤瓦といった竹富らしい家並みを一望のもとに。今年ならではの静かな集落の姿に、琉球時代から続く時の流れを感じるかのよう。
これまで味わったことのないほどの美しい海に、草花咲き乱れる赤瓦の家並み。静かな空気感の中漂う、ゆっくりとした島での時間。身も心も溶かしてしまうような穏やかさに触れ、また明日も来るからねとお牛に約束するのでした。
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