石垣島で迎える最後の朝。6日前、こんな朝が何度も続くことを嬉しく思ったのが懐かしい。7泊8日、文字に起こせば長く見える。それなのに、それなのに。どれだけ居ても、もっと居たい。そう思えることこそが、今回の旅も楽しかったという揺るぎない証。
今朝も食卓に並ぶ、八重山の味。県魚グルクンの竜田揚げやゴーヤーチャンプルー、もずく海苔をお供に白いご飯をおかわり。最後に八重山そばとサーターアンダギーで〆て、お腹も心も満たされます。
朝食無料を謳いつつも、八重山の郷土料理で毎日を始めさせてくれたベッセルホテル石垣島。部屋も広いし、市街地至近。そしてお手頃価格となれば、また次回もお世話になるしかあるまい。再訪を願いつつすっかり馴染んでしまった自室を片付け、名残惜しくもチェックアウトすることに。
ぱいーぐる君、今年も最高の夏をありがとう。去年は会うことができなかったけれど、その分今年は本当の夏というものをより強く感じさせてくれたんだね。また来年、必ず来ます。その時はまた、同じように僕を迎えてね。
夜の賑わいが嘘のように、静まり返る繁華街。何度も通った美崎町の街を歩くのも、今年はこれが最後。愉しければ愉しいほど、この瞬間の切なさは力を増す。この旅での想い出を噛みしめつつ、バスターミナルから『東運輸』の4系統空港線に乗車します。
サンエー前で下車し、今日のお昼やじゅーしーの素などをお買い物。マックスバリュやサンエーに立ち寄ると、明日も明後日もこうして居そうな錯覚に陥ってしまう。石垣島で、暮らせたらな・・・。そんな淡い願いを知ってか知らずか、夏空には見守るかのように美しい彩雲が。
サンエー前から再び空港線に乗車し、石垣空港で一旦下車。コインロッカーに荷物を預け、米原キャンプ場線に乗り換えます。ちなみに今日も、1日フリーパスを購入。1,000円で24時間乗り放題、バス利用の旅行者の強い味方。
空港を離れ、島の内陸を目指して軽快に走るバス。車窓には、見渡す限りの豊かな緑。いつもは頭を雲に隠しがちな於茂登岳も、その伸びやかな雄姿を惜しげもなく僕らに魅せてくれているかのよう。
梅雨の名残りの、淡い青さから始まったこの旅。あの日竹富島で季節の境を感じ、そしてこうして夏空へ。今年の夏休みは、豊かな表情に溢れる日々だった。あまりにも青すぎる夏空と広がる草原に、今年の八重山で出逢えた色彩が走馬灯のように甦る。
バスは更に勾配を登り続け、於茂登岳に寄り添いつつ北上を続けます。この辺りは、石垣島でも標高の高い場所。車窓にちらりと輝くダムを望み、そしてこの先石垣島で一番長い於茂登トンネルへ。
あと数時間後には、もう機上の人。その前に、今年最後のあおさに逢いに行こう。この旅の締めくくりとなるあおさを目指し、揺れるバスに身を委ねるのでした。
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