暑い中で熱いラーメンを楽しみ、そろそろ宿へと向かう時間に。新庄駅前から『山交バス』の肘折温泉行きに乗車。お昼過ぎのバスに乗り、一路肘折温泉を目指します。
バスに揺られること約1時間、最後に山から谷底へと一気に駆け降りたところで、肘折温泉の入口に到着。温泉街には第一、第二、待合所と3か所のバス停がありますが、今回は散策のため一番手前の第一停留所で下車。
僕を降ろしたバスは、ここを抜けて行くの?と思う程狭い温泉街をゆっくりと走り去ってゆきます。旅館やお土産屋がひしめく温泉街は、湯治で滞在している人々で賑わっています。
曲りくねった狭い温泉街は、次にどんな景色が出てくるか予測が付かない面白さ。そんな中で現れたのは、歴史を感じさせる立派な建物、旧肘折郵便局。和の温泉街の中でモダンな洋館がひときわ目をひきます。
中を覗くと、往時の姿を偲ばせる木造りの窓口がそのまま残っています。歳を重ねて飴色になった木を照らすのは、丁度この時に開催されていたイベントに出品された、灯籠絵。薄暗い室内でぼんやり灯る姿は幻想的。
古き良き旅館やお土産屋さんの姿を楽しみつつ進む温泉街。旅館の窓越しには、午睡を愉しむ湯治客。その多さに、ここが歓楽としての温泉地ではなく、湯治場として愛され続けてきたことを感じます。
そんな温泉街を抜けると、大きな川と砂防ダムが。この砂防ダムは昭和27年に造られたものだそうで、国の登録有形文化財に指定されています。
60年以上も前に造り上げられた砂防ダム。その重厚な姿と、流れ落ちる水の音を間近に感じようと進んでいくと、大きなドーム状のものを発見。中を覗いてみると、赤茶けた源泉が勢いよく湧く姿が。
これが湯治客を引き寄せ続けてきた肘折の湯か。その姿を目にし、その湯に触れる時を心待ちにするのでした。
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