8月1日。夏真っ盛り、一年で一番暑い季節。強い日差しに包まれた東京駅ホームより、いつもの新幹線に乗り込みます。行先は、弘前。6月に訪れて以来ずっと頭から離れなかった、あの勇壮なねぷたに会いに行くことに。
明け、休みがねぷた祭りと重なり、どこもいっぱいである市内ホテルも、偶然2連泊押さえられたという運の良さ。もうこれは行けと言われているも同然。2泊3日、ねぷたを見るためだけの弘前行き。僕の熱い、暑い、アツい夏休みが始まります。
今回の目的は、純粋にねぷたを見るだけ。夕暮れ前に弘前に着けばいいので、いつも勤務明けに乗る新幹線より1時間遅いはやてに乗ることに。
1時間以上の余裕をつぶすべく、東京駅構内でお弁当やお酒を色々なお店で物色。そんな中見つけたのが、このサッポロクラシック。丁度キオスクで北海道フェアをやっていたようで、もちろん即購入。
乗り慣れたはやて号、進行方向左側の窓側に腰掛け、クラシックをプシュッと開けて発車の時を待ちます。何度旅立っても、この瞬間はたまらない。おじさんになった今でも、子供の頃と変わらないワクワク感で胸がいっぱいになります。
今日は宿にチェックインし、お祭りを見るだけ。街歩きや観光もないので、お昼から気兼ねなく飲むことができます。
ということで、まずはお弁当の前におつまみで乾杯。以前お弁当を購入したことのある、沖縄料理のお店龍譚の詰め合わせを購入。ミミガー、ゴーヤチャンプルー、ランチョンミートといったラインナップ。
ミミガーは甘酸っぱい味噌で和えられており、臭みがなくコリコリとした食感が美味。チャンプルーやランチョンミートも期待を裏切らない美味しさで、これはビールにもってこい。我ながらいい選択をしたと自画自賛。
新幹線は大宮を過ぎ、車窓に占める緑の割合がだんだんと増していきます。文字通りの青空に漂う、白い雲。これから出会うであろう灼熱の夏に思いを馳せるには充分すぎるロケーション。
快調に飛ばす新幹線と同じく、僕のペースも快調、快調。クラシックを名残惜しくも飲み干し、次のお酒へと移ります。
いつも東京駅から新幹線に乗るときに利用する、グランスタにあるはせがわ酒店が立ち上げたという、KANPA+i0311PROJECT。全国の様々な酒造会社が賛同し、被災地を応援しようというものだそう。
僕は元々東北のお酒が好きで、購入する機会も多いのですが、中々東京で売っているのを見かけない「伯楽星」が売っていたので迷わず購入。宮城や東京のお店で飲んで以来、大好きになったお酒のひとつです。
思いがけないところで伯楽星を手に入れることができ、すでに上機嫌な僕。そんなタイミングで駅弁を開けることに。
今回購入したのは、津軽味祭。これからまさに津軽へ行くというのに、と思いつつも、祭りへと逸る想いを抑えきれず、掛け紙に惹かれて購入。
蓋を開けると、ほたてやかに、えびやいくらといった海の幸と、野菜や山菜といった山の幸がぎっしりと詰まっています。
新幹線新青森開業を記念して作られたというこのお弁当。津軽地方の食材をイメージして作られたお弁当を食べつつ車窓を眺めれば、心はすぐにでも弘前へと飛んで行ってしまいそう。
いつもならこの道中もこの上なく楽しい旅の醍醐味ですが、これほどじれったく感じるのはどれくらいぶりでしょうか。
ねぷたの灯りやお囃子を想像しながら飲む伯楽星。流れる車窓には山がぐっと近付き、東北路を駆けているという実感がどんどんと湧いてきます。
じりじりと照りつける太陽と青い空、青い田んぼ。一昨年の東北鉄道旅行の再現かとも言えるようなこの光景に、心はすっかり夏休みモードに。
東京にいるときは暑い暑いと文句を垂れていますが、旅行となればまた違う。夏休みの旅行は、暑ければ暑いほどいい。心まで日焼けするかのようなこの晴れ空に、今夜の熱気を想像するのでした。
早くもひとりテンションが上がる僕を乗せ、はやては時刻通り新青森駅に到着。コンコースでは、青森ねぶたといえばこれ、という組ねぶたがお出迎え。青森のねぶたも、いつかは見に来なければなるまい。
新青森からは奥羽本線に乗り換え、一路弘前を目指します。お昼に東京を出発し、弘前到着は16時15分。随分青森県も近くなったものです。
新青森まで新幹線が開業しなければ、勤務明けでその夜にはねぷたを見る、なんてことは実現できていなかったことでしょう。
ローカル線で夜勤明けの疲れをほんの少し癒し、無事弘前駅に到着。弘前駅のコンコースでも、ねぷたがお出迎え。
そうそう、これこれ。ねぷた村で見て一目惚れし、本当に会いにやってきてしまいました。あと数時間後には、街を練り歩く生のねぷたに触れ合うことができるはず。熱い祭りの予感に、思わず鳥肌がたつのでした。
6月に初めて訪れ、いつかはねぷたを、と思っていたこの弘前。まさか2カ月足らずで本当に再訪が叶うとは。休みが合っても宿が取れない。そんな状況のでの幸運に、天に感謝せざるを得ません。
やぁーやどーまで、あと少し。ホテルを目指し、祭りを控えた市中へと繰り出します。
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