熱~い夜から一夜が明け、2日目の朝。当初は弘前近郊の温泉でも、と思っていましたが、今回利用した東北フリー乗車券では青森・秋田近辺が乗り降り自由だったため、前回惨敗したリゾートしらかみのリベンジを果たすことに。さて、今回はどんな美しい景色を見せてくれるのでしょうか。
リゾートしらかみも、気づけば今年で15周年。そうそう、確かに僕が高校生の時にデビューし、ノスタルジックビュートレイン以来僕を誘い続けてきた五能線に、より一層乗ってみたくなったことを思い出します。
その後この列車は五能線の顔となり、ついには新型ハイブリット気動車まで登場。リゾートしらかみの大活躍のおかげで、JR東日本管内で様々なリゾート列車が運行されるようになりました。
前回秋田から乗った、初めてのリゾートしらかみも、このくまげら編成。僕の好きなオレンジ、イエロー系統を多用した、3種類の中で一番のお気に入り。
今回は、ホテルの素泊まりプランを利用したため、列車内で駅弁の朝食を。弘前駅改札口正面に出店していたお店で、ほたてめしを購入。
蓋を開けると、いい色に炊きあげられたほたてめしがぎっしり。程よい塩梅でほたての旨さを感じるもちもちのご飯に、ふっくらとしたほたての身。
北海道に縁のある僕としては、ほたては北海道産!と言いたいところですが、青森のほたても負けず劣らず美味。毎度その美味しさに感動します。
そして一番のお気に入りが、上に入れられた「いがメンチ」。弘前の郷土料理(?)である、いかで作られたメンチカツ。
いかの弾力の中に、旨味がぎゅっと凝縮された美味しさは格別。ちょっとだけ濃いめの味付けが、またご飯と良く合います。煮物の替わりにいがメンチが2個入ったいがメンチ弁当があったので、次回はそれを絶対に買いたい。
ビール片手に、津軽の味覚に舌鼓を打つ朝の車窓。眼下には、青い実を付け始めたりんごの木が延々と続きます。本当ならば、この先に岩木山が見えるはずですが、今回は雲に隠れています。この先、天気は大丈夫かなぁ?
前回、荒れ狂う波しぶきと鉛色の雲といった、ある意味日本海らしい日本海を見せてくれた、この五能線。大幅な遅延と宿の送迎に間に合わないというハプニングのおまけまで付いて、すっかり忘れられない思い出となりました。
でもやっぱり、リゾートしらかみの大きな窓から見たいのは、きらきら輝く青い海。今日はそれが叶うかどうか。運を天に任せるしかありません。
列車は奥羽本線から五能線へと入り、海を目指して走ります。窓の外は見渡す限りの田んぼ。緑一色の景色の先に広がる空にはぽつぽつと雲が浮かび、どうやら天気はそれほど悪くなさそう。
五所川原より、津軽三味線の演奏者の方が乗り込んできました。前回も車内で演奏を聴きましたが、今回はスピーカー越しではなく目の前での生演奏。今年はこれで3度目の生津軽三味線。聞けば聞くほど、津軽に来てよかったという実感が沸いてきます。
列車に揺られ、津軽の自然を眺めながら聴く三味線は最高の一言。絃とバチの織り成す力強い音に聞き入ることしばし、ついに海が見えてきました。
前回とは同じ海とは思えないほど、穏やかに広がる日本海。
ここからは、リゾートしらかみからの、津軽西海岸、夏の車窓をご紹介したいと思います。
延々海沿いを走る五能線。大きく取られた窓からは、刻一刻と表情を変える大海原の姿を堪能することができます。
高台から見下ろす海岸線、手が届きそうなほどの波打ち際、小さな漁村に奇岩の並ぶ景勝地。その様子はいつまで見ても飽きることがありません。
そして、夏を感じさせる青く穏やかな海に、青々と茂る緑たち。弘前のねぷたと共に、今年の僕の夏を代表する景色となりました。
弘前を出てから1時間50分、快適な車窓を楽しむ旅もここで終わり。夜のねぷたに備え、深浦駅で下車し、午後の列車で戻ることにします。
深浦駅では、新型の青池編成と待ち合わせ。今度はこれにも乗ってみたいなぁ、などと、鉄の血がにわかに騒ぐのでした。
折り返しの列車は2時間半後。のんびりムードに包まれた深浦の街へ、ぶらぶら繰り出します。
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