冬を求めて津軽路へ ~ランプのゆらぎ、千の夢。1・2日目 ④~ | 旅は未知連れ酔わな酒

冬を求めて津軽路へ ~ランプのゆらぎ、千の夢。1・2日目 ④~

マイクロバスで運行する弘南バス温川行き路線バス 旅の宿

弘前から黒石へ。半年前のねぷた旅で辿ったこのルートも、初めて訪れた冬では表情が違って見える。また来よう。雪に埋もれた白銀の世界、桜咲き誇る艶やかな春。錦に染まる秋も見てみたい。そんな妄想を抱きつつ、こみせ通りに位置する中町バス停から『弘南バス』温川ゆきに乗車します。

冬のランプの宿青荷温泉玄関
小さなマイクロの路線バスに揺られて約30分、虹の湖公園に到着。ここで宿の送迎バスに乗り換え山越え谷底へと走ること20分ちょっと、これから2泊お世話になる『青荷温泉』に到着。言わずと知れた、ランプの宿です。

冬のランプの宿青荷温泉離れのふるさと館
この便だけで送迎バス2台分という大賑わい。宿の利用方法についての説明をみんなで聞き、部屋のある方面別に分かれて自室へと向かいます。

仲居さんの後を付いていくと、あれ?もしかして?との予感が頭をよぎります。そしてたどり着いた先は、離れであるふるさと館。そうここは、8年前に初めて訪れたときに泊まった離れ。懐かしさとともに、その時の記憶が一気に溢れ出します。

冬のランプの宿青荷温泉離れのふるさと館北西和室の角部屋
4つある部屋が全て角部屋となるふるさと館。前回は入って右奥、南西の角部屋でしたが、今回はその手前の北西角部屋。大きな窓から見える本館や吊り橋の景色もほぼ同じで、違うのは溢れる新緑か白く輝く銀世界かというだけ。

冬のランプの宿青荷温泉幾多ものランプを手入れするランプ小屋
僕のその後を決定づけた、8年前の想い出の旅。今はなきブルートレインに誘われた津軽の地へ、これほどまでに通うようになるとは。そんなかけがえのない原体験をくれたこの宿に、8年ぶりに泊まれるなんて。その感慨に染まれるだけでも、再訪した甲斐があった。渋い佇まいのランプ小屋を眺め、心の芯から懐かしさが広がりゆくのを噛みしめます。

冬のランプの宿青荷温泉健六の湯
湯浴みの前から心の火照りを感じつつ、この旅最初の一浴へ。前回訪れた際に一番お気に入りとなった健六の湯へと向かいます。この宿には大きな混浴露天と3つの男女別浴場があり、それぞれ違った風情を楽しむ湯めぐりができるのも嬉しいところ。

冬のランプの宿青荷温泉源泉かけ流しの大きな湯船と白銀に染まる窓
早速浴衣を脱ぎ、浴場へと入ります。するとまず目に飛び込むのが、この大きくとられた窓。前回は溢れんばかりの若い緑に染まっていましたが、今回は視界のすべてが白銀に。あぁ、渋い。自然の織り成すモノクロームに、今はただただ浸りたい。

大きな湯船に満たされるのは、無色透明の単純温泉。肌への当たりは非常に優しく、全身をもんわりとした温もりで包んでくれるよう。立ち上る湯けむりからはほんのりとした湯の香が漂い、ふんだんに使われた青森ヒバの香りが鼻をくすぐります。

冬のランプの宿青荷温泉本館の廊下に灯る昼のランプ
きらきらと溢れるきれいなお湯に揺蕩う、贅沢なひととき。春夏秋冬、それぞれの良さがある。でもやはり、純白に染まる雪見風呂は別格のひと言。

そんな湯浴みへの道中すら愉しませてくれるのが、ランプの宿のもつ世界観。灯火がゆらぐという非日常が、至るところに散りばめられているのです。

冬のランプの宿青荷温泉こんもりと純白の雪が積もる青荷川
吊り橋で渡る、清らかな青荷川。こんもりと積もる純白の雪が、心に積もったなにかまで漂白してくれるよう。今年はこれでも雪が少ないのだそう。遊びに訪れる者は気楽でいいですが、豪雪地で暮らすことの大変さを垣間見た気がします。

冬のランプの宿青荷温泉灯るランプを愛でつつ湯上りの冷たいビールを
売店で買った冷えたビールを携え、自室へと戻ります。大きな窓から溢れる、光の洪水。雪の眩しさの中で灯るランプの小さなあかりは、見る者の心まで温めてくれるよう。炎のゆらぎをつまみに飲む、湯上りのビール。これを贅沢と言わずして、何をもって贅沢とするのだろうか。

冬のランプの宿青荷温泉ヒバ造りの本館内湯
電気もなく、携帯の電波すら届かない文字通りの秘境。湯上りの畳の感触を味わい、ひたすらゴロゴロ過ごす時間。そんな時間にも飽きたら、再び湯屋へ。今度は本館の内湯へと向かいます。

小ぢんまりとしつつも、ヒバの香りと渋い色合いに包まれた浴場。こちらにも無色透明の源泉が掛け流されていますが、湯船が小ぶりだからか結構な熱さ。掛け湯を繰り返し、馴染んだところでさっと浸かります。

冬のランプの宿青荷温泉日が翳り存在感を増してゆくランプの灯り
ひたすらに、することがない。夜には本すら読めないことは前回の宿泊で承知しているので、敢えて今回は何も持たずにここへ来た。ただただ浸かって食って、飲んで寝るだけ。そんな怠惰の極みを味わいたいがために、ここへの連泊を決めたのです。

段々と日が翳り、反比例するかのように増してゆくランプの存在感。人工の光には決して醸すことのできない、炎のゆらぎ。火が揺れるたびに動く影。炎も生き物のように鼓動を刻んでいるのではないか。そんな不思議な一体感に揺蕩いつつ、幻想的な時間はゆっくりと流れてゆくのでした。

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