午前中はホテルの前のビーチで存分に海を満喫。半日ってこれほど時間があるものだったんだ。これまでにない充実感を感じる、石垣島は底地ビーチでのステイ。美味しい八重山そばでお腹を満たした後は、石垣島の中でも有名なスポットを目指してさんぽへ繰り出します。
一歩外へと出れば、そこはもう溢れんばかり、いろいろなものの洪水。暑さ、陽射し、青空、花々、緑、そして蝉の声。夏の沖縄を彩る主役たちが、全力で僕たちを歓迎してくれているよう。
一瞬にして溢れ出す汗を楽しみつつ歩く、強い陽射しに照らされた道。そんな太陽の元気を分けてもらうかのように咲く、赤や薄紅のハイビスカス。その華やかさが南国の風に彩りを添えます。
ホテルから通りへと出ると、そこは一面のサトウキビ畑。海風を受けてさわさわと囁く葉擦れの音が、沖縄にいるという実感を一層強いものとします。
それにしても、この目の覚めるような、そしてクラクラくるような強いコントラスト。本州では味わったことのない、太陽の造る鮮やかな天然色。
同じ青空、白い雲、草木の緑でも、気候が違うだけでこれほどまでに違うのか。もうここまでくると、アニメやCGでも見ているかのような感覚に襲われます。
逃げ場のない、360°全方向から来る日射と熱射。それが非常に暑くもあるのですが、それすら楽しい。だってこんな暑さ、生まれて初めてだもん。
汗水垂らしながらせっせと歩く道。前方には空の下横たわる低い山。前岳というこの山がサトウキビ畑の後方に聳える姿は、低山とは思えない迫力があります。
汗水垂らすのは、暑いだけではありません。道は緩やかながら登り坂。まっすぐな坂をようやく登りきりふと振り返れば、これまで辿ってきた道とサトウキビ畑、そしてその奥に広がる海。
この眺めを爽快と言わずして、何を爽快と言うのだろうか。観光名所でも何でもない、ただの一本道。それすら一瞬一瞬で輝く姿を見せてくれるという奇跡。これが石垣島の魅力なのでしょうか。
そして竹富島や石垣島に来て何度か目にした、鳥居のあるこのような場所が。そこは鳥居はあるものの、僕が知る神社とは全く雰囲気が違い、そして立入禁止と書いてあるところまであります。
立入禁止と書いていなくても、入ることが憚られるような空気に包まれた、この場所。ホテルに帰って調べてみると、御嶽(うたき)という沖縄の聖地・拝所なのだそう。
鳥居が建てられたのは明治時代以降のことだそうで、地元の方々が大切に守っている場所のため、やはり部外者が入ってはいけない場所だそう。瞬間的に雰囲気を察知した僕は入らずに済みましたが、鳥居があるからといって、本州の神社のようにお参りしてはいけません。
これは現地に来るまで全く知らなかった。沖縄に詳しくない観光客は注意した方がいいかもしれません。といっても、やはり独特の空気が漂っているので、そう入ろうとは思わないかもしれませんが、念のため。
事前情報や予備知識がなくても肌に感じる、文化の違い。やはり沖縄には来てみるべき。距離や気候だけでなく、触れる文化の違いこそ、旅をしなければ味わえないリアリティー。
沖縄に着いてから出会う、様々な新鮮な光景や感覚。35歳にもなって、こんなに初めて尽くし、刺激的な時間を過ごせるなんて。僕は僕の知っているつもりの世界の中だけで生きてきた。そう気づかせてくれる、沖縄での時間。
沖縄に着いてから、まだ1日半。すでに僕の中には自分で処理できないほどの量の感動と、新しい感覚が満ち溢れている。そんな心と焼けた腕の火照りを冷ますため、道端の木陰で一休み。日陰に入ってしまえば風が涼しいのも、また心地よい。
からっとした風を浴びて息を整え、目的地までの最後の道のりを頑張るのでした。
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