ゆったりと流れる朝の時間を心の底から満喫し、一旦部屋へと戻って海に行く準備を。海に入れるのは9時からなので、それまで広がる海原を眺めながら、のんびりと過ごします。
プールサイドの茅葺越しに見る蒼い海。こんなシーン、テレビや雑誌、パンフレットの中だけの世界だと思って生きてきた。それが今、自分のこの眼で見ているなんて。溜息の出るような、南国感。
振り返ると、プールに向かってシーサーが水を出しています。マーライオンならぬ、マーシーサー。海だけを見ればどこか遠い国のような錯覚を起こしそうですが、シーサー君がここが沖縄であることを主張しています。
逸る気持ちを抑えつつ、早速海へじゃぼん!すると驚くほどの温さ。ぬるいというとイメージ悪いかもしれませんが、とんでもない。ものすごく心地良い、癒される温度なのです。これはどこかで味わった気がする。そうだ、貝掛温泉だ。そんな温さ。
ぬる湯くらいの温度の海。波打ち際の浅い場所に腰掛ければ、寄せては引く波の鼓動が伝わってくる。遠くに浮かぶ雲は何となくハート形。青い空の色を溶かした海は、澄んだ清らかな青さを湛える。
初めて味わう、この感覚。言葉で表すならば、母なる海、というものなのだろうか。この温度、波のリズム、そして色。全てが安息をもたらしてくれる、そんな優しさに満ち溢れた、底地の海。
ビーチにはチェアーが用意され、空いていれば自由に使うことができます。海に浸かって、浜辺で太陽に焼かれ。もうこれだけで充分幸せ。こんな幸せって、この世にあったんだ。35歳になるまでこれを知らずに過ごしたなんて。僕は大損をしてきたなぁ。
僕はこれまで、沖縄ではマリンアクティビティーをしないともったいない、という勝手な思い込みを持っていました。でもそれは大間違い。こうして海に浸かり、海を眺めているだけで、ものすごく楽しい。
これまで知っていたつもりの海水浴ってなんだったのだろうか。みんなが口を揃えて沖縄の海は良いよ!と言っていた理由が、この場に来て痛いほど分かります。
360°、全方向から降り注ぐ、南の島の陽射し。太陽の熱さに耐えられなくなったら、もちろん登場するのは島のコイツ。
これまでオリオンビールは薄くてなんだかなぁ、という印象でしたが、この気候の中で飲むオリオンビールは文句なしに最高!沖縄独特のカラッとした暑さには、濃いコクのあるビールより、オリオンビールが合う。島の気候風土に育てられてきたビールなんだと実感します。
気が付けば、3時間近くビーチで過ごしていました。またひとつ、自分の知らなかった自分を発見。海に浸かるだけで楽しめる自分なんて、ここに来るまで想像もつきませんでした。僕、こんなに海が好きだったんだ。これまで気付かなかった自分の南国属性の強さに、驚きを隠せません。
もうそろそろお昼時。一旦部屋へと戻りシャワーで潮を流します。といっても沖縄の海はそれほどベタベタしない。きちんとしょっぱいのに、何でだろうか。海のあの不快感が無いのです。
ベランダから海を見てみると、朝よりもだいぶ潮が引き、底地ビーチという名の由来が感じられるほどの浅さになっていました。また違った表情の青さに、飽きもせず海を眺めます。
たっぷりと海と戯れ、ものすごい空腹感。そこでホテルのレストランへと向かい、お昼をとることに。今回注文したのは、八重山そば。僕は全国どこへ行っても、やっぱり麺食いなんだなぁと苦笑い。
こちらの八重山そばには、柔らかく煮られた軟骨と、美味しい八重山かまぼこが載っています。早速おつゆをひと口。うぅん、優しい♪だしは効いているのに主張しすぎない。この感じ、大好き。
独特の食感の太麺と、つゆに旨味を加えるソーキとかまぼこ。少し食べた後にピィヤーシとコーレーグースを加えれば、一気に雰囲気が変わり、また新しい美味しさに。
だめだよ、またこれを書いているだけで食べたくなってきた。だから、気軽に食べに行けない距離だって言ってんじゃん!悔しい悲しい切ない食べたい・・・。
朝起きて、海を眺めてご飯を食べて。海に浸かってお昼を食べて。こんなにゆったり過ごしてもまだお昼過ぎという、驚異的な時間の流れの遅さ。
景色や味だけでなく、このゆったりとした沖縄に、もうすっかり染まってしまうのでした。
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