窓の外の眩さの気配で目覚める、爽やかな朝。カーテンを開けて眺めれば、青さを湛える空と海。本日目指すは、日本最南端の有人島。今日の晴天への期待にそわそわしつつ、船に間に合うようにと急いで身支度を整えます。
準備万端整ったところで、朝食会場へと向かいます。今朝も色々取りたいところでしたが、待ち構える船旅に備えていつもより少しだけ控えめに。カリッと揚がったグルクンの竜田揚げやゴーヤーチャンプルーといった郷土の味と共に、ほかほかの白いご飯を味わいます。
離島ターミナルで必要なものを買い込み、いよいよ乗船。波照間島航路を運航しているのは、『安永観光』の1社だけ。案内された一番端の桟橋へと向かうと、立派な双胴船が接岸しています。これならきっと、波照間まででも大丈夫。そんな風に自分に言い聞かせ、期待半分不安半分でぱいじま2へと乗り込みます。
なぜそんな風に自分に言い聞かせたのかというと・・・。この航路、どうやら大揺れする確率が高いらしい。
窓側に座れなかったなぁ、景色見れないなぁ。なんて最初は、のんきに景色のことなど考えていました。やっぱり双胴船は安定感があるな。なんて思っていたのも束の間、30分もしないうちに船は上下左右に大揺れ開始。これ、景色の見えない席で良かったかも。左右の大きな窓に行ったり来たりする水平線がちらちら視界に入ってくるだけでも、結構やばい。
上下方向のピッチングに関してはここ最近のフェリー旅で慣れてきたのですが、頭をぐゎんぐゎんされるヨーイングは、ちょっとすげぇや、これ、といった感じ。
昨日飲みすぎなくて、今朝食べすぎなくて、本当に正解だった。この状態があと1時間以上・・・。そう思いつつ波に呼吸を合わせ無になり続けていると、船窓には見たこともないような深い青さを湛えた海に浮かぶ、緑の帯が。これから日本最南端の有人島に上陸するという悦び以上に、ある種の安堵を覚えたことは内緒です。
実は今日、僕の30代最後の誕生日。その日を初めての日本最南端で過ごせるなんて。まだ見ぬ島への上陸を目前に控え、弥が上にも高鳴る鼓動。船の揺れと高揚感がないまぜとなった不思議な感覚で、接岸の時を待ちわびるのでした。
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