恒例となった冬の旅。今年もニセコの宿は改築中のため、スキーは無しのグルメ旅行を決行することに。
旅の始まりは、ここ東京駅。といっても、いつもの見慣れた新幹線が並ぶホームではなく、僕にとってはアウェー感満点の東海道新幹線ホームから出発です。
行先が九州に決まった時、さすがの僕も飛行機利用しか考えていませんでした。が、相方さんがまさかの新幹線利用を所望。僕にとっても未体験、東京から博多まで5時間オーバーの、東海道・山陽新幹線乗り通しの旅が始まりました。
寝台列車以外で同じ列車に5時間以上乗りとおすなんて、かなり久しぶりのこと。ということで、今回は奮発して往復グリーン車を利用することに。
定価ではなかなか乗ることのできないグリーン車ですが、今回は旅行会社のプランを使ったため、片道4000円のプラスで乗車OK。博多までの道のりを考えると、かなりお得です。
さすがはN700系のグリーン車。東海道新幹線史上で最高の出来とも言われるこのグリーン車は、座席の座り心地から静粛性、揺れの少なさまで快適そのもの。
うぅ~ん、でもやっぱりわくわくしないんだなぁ。多くの東海道ファンを敵に回すのを覚悟で言いますが、やっぱり東海道新幹線ってつまんない。「旅の楽しさを演出する」という、鉄道の大事な部分が欠落しているように思えて仕方がないのです。
壁や照明カバーに和紙のような模様が入っていたり、さらっと木目が使われていたり、ひとつひとつを見ると決して悪くないのに、全体を見るとビジネス臭がぷんぷん。
東海道新幹線の性格上これで良しとするべきなのでしょうが、ただでさえ東海道新幹線車内では肩身の狭い旅行者にとって、このビジネスライクな車内の雰囲気は居心地の良く無さを一層感じてしまいがち。僕が東北新幹線慣れしすぎただけなのかなぁ。でも、やっぱり乗って楽しい新幹線になってくれないかな。
なんて生意気なことを考えるのは置いといて、早速お昼ご飯を食べることに。今回も東京駅構内の祭で色々と駅弁チェック。
いつも見慣れた東北方面の駅弁に目がいってしまいますが、今回は西への旅行ということで西方面の駅弁を買うことに。姫路駅のまねきが調整する豚蒲重を購入しました。
蓋を開けると目に飛び込む大きい豚肉。こちらはお隣の岡山県にある豚蒲焼専門店、かばくろとのコラボ駅弁とのこと。
添付の山椒を振りかけてひと口。炭火で香ばしく焼いたとあるだけに、口に香ばしさと豚の甘い脂が広がります。味付けは思ったよりも薄め。
冷めた豚にありがちな脂っぽさやパサつきもなく、柔らかい仕上がり。それにしても結構なボリューム。小食な人だとかなり満腹になるのではないでしょうか。
食後に昼下がりのきらきらと光る海を眺めているうちに、気が付いたらうたた寝していました。2月とは思えない窓辺の暖かさ。のんびり夢見心地で一歩一歩着実に博多を目指します。
東京駅から猛スピードで駈けること5時間と少し。のぞみは定刻に博多に到着。いやぁ、人生で2度目の九州入り。新幹線を乗り通してやってくると、その距離が実感でき嬉しさもひとしお。
と、今日の移動はここでは終わらないのです。ここから九州新幹線に乗り換え、更に先を目指します。今日一日の移動距離、すごいことになってるなぁ。
目の前に佇む九州新幹線800系。九州新幹線開通時に登場した、九州新幹線初代の車両を目の当たりにし、僕のテンションは絶好調。
ドアが開き車内へと入れば、いきなりおしゃれなデッキがお出迎え。僕がJR九州に乗るのはこれが初めて。JR九州の独特な世界感に、早くも鉄の血が騒ぎだします。
この800系は、700系新幹線をベースに作られた車両ですが、外も中も全くの別物。
普通車指定席は贅沢な4列シート。美しい模様の生地の張られた座席が整然と並びます。インテリアは1両ごとに違い、それぞれにインパクトのある空間が展開されています。
本やテレビで見て以来、ずっと乗ってみたかった九州新幹線800系。初体験の列車に九州へ来たことを実感し、この旅最初の目的地を目指します。
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