良い湯、良い味で迎えてくれた別府ともお別れの時間。18歳の訪問以来ずっと憧れ続けた別府の街は、想像を遥かに超える魅力を見せつけてくれました。
もうすっかり別府の虜。今回はそんな別府の実力の片鱗を垣間見ただけ。もう少し近ければなぁ。中々来ることのできない距離に、行き場のない思いを感じずにはいられません。
熊本、大分と辿ってきた九州旅行も残るは今夜の1泊のみ。最後の目的地である博多を目指し、メタリックブルーの外観が目を引くソニックに乗車します。
このソニック、登場した時はそれはそれは斬新すぎる車両で、おもちゃ箱をひっくり返したような色彩とデザインが特徴でした。
現在はリニューアルが施され落ち着いたインテリアに変更されていますが、それでもまるでミッキーのような形のヘッドレストは健在。この特急、ずっと乗りたかったんだよなぁ。在来線特急時代のつばめと共に、僕にとってのJR九州の顔です。
列車は別府駅を定刻に発車し、どんどんスピードを上げてゆきます。大分との最後の別れを惜しむため、売店で大分麦焼酎の水割りを購入。振り子特有の景色の変化を楽しみながら、別府での3日間を思い出します。
別府を出てからしばらくは海の眺めを楽しめましたが、それも束の間、山間部へと突入。130km/hで疾走するソニックから眺める車窓は流れるような速さ。
山を抜けると広大な田園地帯に。ゆりかごのように左右に体を揺らすソニックに身を任せ、過ぎゆく車窓を眺めれば、これまでの濃厚な5日間が嘘であったかのよう。今回の旅は余りに新鮮すぎた。僕にとって初体験の連続で、感動が飽和状態に達しています。
明日には東京へ帰らなければならない。個人旅行としては初めて訪れ、初めて触れた本当の九州の魅力に、すでに帰りたくない気持ちでいっぱい。そんなことをぼぉーっと考えていると、視界にやたらと長いベンチが。
ここ中津駅には、「日本一長い鱧の椅子」と書かれた木のベンチが置かれていました。そうか、ここは鱧が名物なのか。唐揚げも有名だし、また来たい場所がひとつ増えてしまいました。
列車は大分県を抜けて福岡県に突入。小倉で進行方向が逆になり、座席を回転させます。先ほどまで見ていたメタリックな内装とは異なり、こちらの車端部は明るいガラスの仕切り。
使い勝手や細かい傷等、多少気になるところはありますが、やはりJR九州の車両は個性的。鉄道を必死に好きでいた学生の頃の想いがよみがえります。
別府駅から2時間足らず、この旅最後の目的地である博多に到着。これで九州の北側ちょっとだけを一周してきたことになります。
4日前にこの駅に降り立った時がついこの前のようでもあり、だいぶ前のようでもあり。それだけ充実した旅行だという証です。
博多駅から地下鉄に乗車し、天神へ。今夜の宿は中洲のすぐ隣に位置する『西鉄イン福岡』。繁華街至近に位置し、夜の博多を楽しむには絶好のロケーションです。
早速チェックインして荷物を降ろすことに。窓からは博多の繁華街中洲を一望できます。川面に映る街の灯りがきらきらと輝きとてもきれい。
この旅最後の地、博多。最後の夜を楽しみにしていたあの鍋で飾るため、夜の博多の街へと繰り出します。
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