熊本城入口に到着。大きな石垣に囲まれた入口から中へと入ります。早くあの天守閣を見たいと、ワクワクが止まりません。
それにしても、本当に立派な石垣。隙間なくびっしりと緻密に積まれた石垣の姿に圧倒されます。
いよいよ石垣の内部へと進んでいきます。幾重にも折り重なって見える石垣。熊本城の堅い守りを印象付ける光景。
石垣を下から見上げればこの急峻さ。武者返しと言われるこの積み方は、上に行けばいくほど垂直に近くなり、攻めてきた武者を返してしまうほどのものだそう。
石段を一歩一歩登り、ようやく熊本城がお出迎え。石垣内部に入ってからここへ来るまで、石段と曲がりくねった進路に阻まれ、天守閣は姿を隠していました。だからこそ、この眺めはより一層印象的。あの天守をめざし、残りの石段を頑張って登ります。
これで最後の石段。熊本城天守閣の全貌が見えるまでもうひと踏ん張り。
いやぁ、長かった。これまでいくつかのお城を散策してきましたが、入り口から天守までの長さ、急さはかなりのもの。その分、対面した時の感動はその何倍にもなって返ってきます。
真下から見上げる大天守。目の詰まった石垣の上にドンと鎮座するその姿は、まさに重厚そのもの。その迫力に、息をするのも忘れ見入ってしまいます。
まだ新しい香りのする本丸御殿の地下を通り、お城前の広場に到着。大天守と小天守の並ぶ独特の姿は、一目見たら忘れられないほど印象的。
大小2つの天守を持つ熊本城。小天守は後に増築されたものだそうで、中には井戸も掘られ、この天守閣の中だけでも籠城できる造りになっているそう。
軒下や破風以外の部分を黒の下見板で覆われた熊本城。だからこそ、白い部分が一層引き立ち、その印象をより重厚なものにしています。
かっこいい、本当にかっこいい。この熊本城は戦後に再建された鉄筋コンクリートのお城ですが、そんなことを全く感じさせない威厳ある姿。
お城マニアでも歴史好きでも無い僕ですが、お城って本当にかっこいい。そんなお城の中でも、久々に惚れ惚れするお城に出会ってしまいました。
熊本城のかっこよさにドキドキしながら天守頂上を目指します。大天守から眺める熊本市街。どこまでも続く市街地に、熊本の街の大きさを実感します。
今日は生憎の曇天。天気が良ければ阿蘇山も見えるそう。もしその眺めを見ることが出来たら、もっともっと熊本の思い出が深まったことでしょう。また熊本へ来ることが出来たなら、絶対に訪れたい。阿蘇の眺めは次への宿題として残しておくことにします。
内部の展示や天守からの眺めを堪能し、満足顔で天守閣を後にします。その前に、もう一度その圧倒的な姿を見上げます。まだつぼみも付いていない桜の木。これが満開になれば、黒と桜色の競演が楽しめることでしょう。あぁ、見てみたい・・・。
続いて、重要文化財の宇土櫓へと進みます。櫓といえども天守閣程の規模があり、三の天守と言われることもあるそう。この熊本城には、明治までこの規模の櫓が5棟もあったそう。規模の大きさに驚きです。
こちらは重要文化財でありながら、内部を一般公開しています。再建の天守閣とは違い、往時の雰囲気そのままを感じることが出来ます。
お城と言えば、この急な階段。これを見る度に思うこと。体格の小さく、足の短かったであろう昔の日本人が、袴を履いてこの急な階段を昇り降り。一体どれほど脚力があったのでしょうか。
櫓から眺める天守閣。この櫓自体、小さなお城の天守閣程の大きさがあるにもかかわらず、天守閣との大きさの差は歴然。熊本城の大きさを物語ります。
長い間、風雨を耐えてきた宇土櫓。隙間から光が漏れる木戸には、300年以上に渡りこの地に在り続けたこの櫓の歴史が垣間見えるよう。
ちょん髷を結った武士が居た空間に、いま自分が居る不思議。木や土、草といった風化しやすい材質で出来ているにもかかわらず、こうして今もここに在る。日本古来の建築物には、その不思議な力と重ねてきた年輪が宿っているかのような、重厚な空気が張りつめています。
そこだけ時が止まったかのような濃厚な空間を楽しみ、宇土櫓を後にします。きれいに揃えて積まれた石垣。すっと筋の通った曲線は、ここ熊本城ならではの美しさ。ごつごつした無骨な石垣も好きですが、ここの石垣は本当にきれい。
帰りも石垣の間を縫うようにしてくねくねと歩き、城外を目指します。
最後の坂を下り切り、ついに下へと降りてきました。歴史を纏うように苔むした石垣。その姿を味わいながら石垣に沿って歩きます。
幾重にも重なる流麗な石垣と、それに沿うように延々と続く櫓。熊本城は天守の重厚な意匠もさることながら、この石垣と櫓の緻密な美しさもまた格別。
不落の名城と謳われた熊本城。その美しさと力強さに圧倒され、忘れえぬ記憶を持ち帰るのでした。
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