全長70km以上あったしまなみサイクリングロードを制覇し、四国本島は愛媛県今治市へと上陸。世界最長3連吊橋である、来島海峡大橋をよく眺めることができる、「糸山公園」に立ち寄りました。
この大橋が跨ぐ来島海峡は日本三急流の一つで、肉眼でもその流れをハッキリと確かめることができます。速さは時速18kmにも達するそう。川と変わらないほどの流れです。
来島海峡の先には、今までしまなみ海道で渡ってきた島々を眺められ、できることなら戻りたい衝動に駆られます。それほどいい場所だった、ということ。
糸山公園から下る一般道を少し降りると、サイクリングターミナルでもある『サンライズ糸山』があります。ここはレンタサイクルやレストラン、宿泊もできるいわば自転車乗りの味方、みたいな施設だそうです。
僕はここで遅めの昼ご飯をとることにしました。本来は一つ手前の大島、来島海峡大橋の袂にある「吉海いきいき館」という道の駅で海鮮バーベキューを楽しむはずでしたが、下調べ不足がたたって、この日は定休日。残念です。
サンライズ糸山のレストランやロビーからは、このすばらしい眺めを満喫することができます。静かに行き交う船と白亜の大橋、まるで一枚の絵画を見ているかのよう。時間の流れが止まっています。
こちらでいただいたのが「鯛の釜飯」。食卓で炊き上げる鯛釜飯に、サラダ、お吸い物にデザートのみかんが付いて780(?)円。お安いです。
30分ほど炊けるのを待ち、いざかき混ぜてみるとほのかな鯛の香りと香ばしいおこげ!食欲がどんどん湧いてきます。
口に入れると、ふわっと柔らかな鯛の身とダシが広がり、ゴボウや油揚げなど、炊き込みご飯の名脇役から出る旨みとの相乗効果で、一気に幸せな気分になります。
西は味付けが上品であることがわかるような、薄いけれど過不足無い味付けが丁度いい。お値段以上の味に感激し、ペロッと平らげました。サイクリングターミナルとて、侮るなかれ!
糸山から予讃線沿いの県道・国道をつなぎながら走ると、海岸沿いの公園に出ます。そこからはきれいな海とドックを眺められます。今治はタオルと造船の街。瀬戸内は本当に造船の盛んな地域です。
この先は海岸線と付かず離れず、海沿いや内陸をひたすら松山市郊外まで走り続けます。幸いなことにアップダウンはさほどきつくは無いので、一旦スピードに乗ってしまえば気持ちよく走ることができました。
今治の糸山を出てから2時間半、今夜のお宿である「かんぽの宿 道後」(閉館)に到着。道後温泉から3キロほど離れた高台に位置します。
このホテルですが、結論から言うと、とってもいい!!かんぽの宿というと、どうしても「公共の宿」的なイメージがあったのですが、今回利用してみてびっくりしました。
お風呂はきちんとした温泉ホテルと同等レベルの内湯に露天。循環ろ過ではありますが、奥道後温泉のお湯を引いていて気持ちよく入浴することができました。
部屋もこれまたきれいで温泉ホテルと全く同じ、いや、それ以上に手入れが行き届いているかもしれません。お布団も浴衣も清潔でしたし、アメニティーも完備。
後述の料理も合わせ、市価の3分の2程度の料金でこのレベルは只者ではありません。和室に一人で泊めてもらえて1泊2食で8500円でした。
立地はあまりよくありませんが、高台にある分部屋からの景色は良く、この安さであれば、道後温泉までタクシーを使っても充分お釣りがきます。かんぽの宿、これからは選択肢の一つになりそうです。民間のホテルももっと頑張ってもらいたいものです。
夕暮れ時の部屋からの眺め。松山市街地と、松山城を頂く山に夕日が沈んでゆきます。シルエットがとてもきれい。
こちらは松山城が見えるよう、ズームして撮影したもの。伯方島から80km以上走った体を、広い奥道後の湯で癒し、冷たいビールと共にこの夕日を眺める。島からここまで自分の足のみで来た者にしか味わえない至福のとき。
今回は余裕をもって行程を組んだため、早めにチェックインすることができ、しばらくまったりした時間を味わい、夕食までのんびりと過ごしました。
コメント