小さい頃からの憧れであった宮島の大鳥居と厳島神社を大満喫したところで、お腹がぐぅ~っとなってしまいました。この絶好のロケーションで名物あなご飯をいただきましょう!
こちらが『うえの』のあなごめし(お弁当)。古き良き時代の駅弁掛け紙を復刻し、パッケージにしています。
鳥居に杓子、鹿に紅葉と、宮島色満点のデザイン。今考えれば、持って帰ってくればよかったなぁ・・・(泣)そうはいかなかった事情は後ほどに。
こちらが中身。ご飯が見えないほど名産のあなごがギッシリと乗っています。
江戸前で言えばアナゴはふっくらしたもの。でもこのあなごは炭火焼で香ばしく焼き上げられており、しっかり「魚」しています。イメージで言えばうなぎでいう関東と関西の違い、みたいなものでしょう。
一口食べると、ご飯に染みたあなごのタレと相俟って、あなごの香ばしさと風味が口いっぱいに広がります。
Simple is the Best! もうそれ以上でも、それ以下でもありません。ご飯とあなご、それだけでいい。掛け紙の頃から全く変わらない味なのでしょう。
色々工夫を凝らし、他と差別化を図るのもいいことですが、逆に「伝統」を守り続けることが他と差別化を図ることでもあるんだな、と感じるこの一品。
器も昔ながらの駅弁の材料である、経木。ご飯の余分な水分を吸ってくれ、冷めてもモッチリふっくらの食感をキープしてくれます。
ほんっっっっとに、うまぁ~い!(もちろんお弁当は外で食べるロケーションあってのものですけどね!)今度は店内で焼きたてフカフカのあなご飯もいただかなければ!
そして、僕のランチタイムを見事に邪魔してくれたのが、この方たち。鹿です。
この写真は違う場所で撮ったものですが、まぁ食欲の旺盛なこと!さらに宮島の鹿は神の遣いとして、人は手を出してはいけないものだから、まさにやりたい放題。
自転車を停めれば、ハンドルに掛けているビニール袋を持っていこうとする。食事をしていれば、弁当箱に顔を突っ込もうとする。さらに、箸袋をかっさらって食べちゃう。
僕はお弁当を頭上に上げて10分間くらいあきらめるのを待ちました。その間ズボンのポッケをだいぶまさぐられてしまいました。鹿さんの横行には閉口するものがあります。
ちなみに、この写真の鹿たちは、20分以上2人仲良くタオルをムシャムシャしていました。みなさん、宮島でお弁当は、やめた方がいいです。
お腹も満足したところで、宮島探検再開。厳島神社の近くにある、千畳閣越しに見る五重塔。風情ある景色です。
宮島は厳島神社が有名ですが、その他にも見どころはあります。その一つ、紅葉谷公園へと向かいました。
赤い欄干の橋にたくさんの紅葉。秋になったらえもいわれぬ絶景になることでしょう。
宮島は下水道化率100%だそうで、水がとてもきれい。島とは思えないほどの清流です。
実はこの渓谷、砂防用の人工物なのです。以前この川で大規模な土石流が発生し、大きな被害が出たそうです。
その復興として、自然と調和した形で砂防設備を整えたのが、この公園。予備知識が無ければ全く分からないほどの自然さです。このあたりの心遣いも、世界遺産に認定されるにふさわしい。
そしてまたいました、鹿ギャング!今度はお茶屋の人が鯉のためにあげたえさを、池に入ってまで強奪しています。ここまでくると、笑うしかありません。
宮島は人の住む島なので、道路もけっこうな距離が整備されています。僕は自転車で行ける所まで行こうと、南西に下りました。
アップダウンのある道をしばらく行くと、大学の研究園に入り、その先はダートになるので引き返してきました。途中では、対岸の本州や牡蠣いかだが眺められ、いい景色。
こんな静かな入り江も。こういうところは、一般の観光客はまず来れない、自転車乗りだからこそ発見できる風景。まさに独り占め。
引き返して厳島神社、フェリー乗り場を通過し、更に北東方面へ。しばらく行くと、包ヶ浦自然公園に到着。ご覧のようなきれいな砂浜がず~っと広がっています。
夏は海水浴客がたくさんいそうですが、この季節、ここまで来ると、もう誰も観光客はいません。
ちょっと不安になってしまう位の静けさ。ただ、ただ、波が砂を洗う音だけが響きます。
そんな静かな環境の中、ふと眠くなったので、堤防の上で愛車と一休み。頬をなでる潮風が気持ちいい。
と、気がつけば1時間半も昼寝してしまいました。これが時間に追われない自転車旅のいいところ。好きな時に好きなように動けばいい。
気がつけばいい時間になっていたので、厳島神社方面へと戻ることにしました。途中でいい感じの酒屋さんを発見したので、さっそく中へ。ここでお土産の日本酒を購入しました。
この通りは、表参道から一本入った、「町家通り」と呼ばれる道。古き良き民家が並ぶ、細い道です。
奥に見える五重塔と合わせれば、まるで京都のような街並み。昔からたくさんの人の信仰を集め、人が集ってきた宮島の歴史を垣間見ることができます。
★瀬戸内しまなみサイクリング紀行
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