4日目は、道後温泉を満喫した後松山市内を観光し、船で広島へと向かいました。
まずはかんぽの宿から道後温泉へ向かう途中にある、八十八箇所のうちの1つ、石手寺へ。
今回初めて四国のお寺にお参りしましたが、その雰囲気の荘厳さに背筋が伸びました。本堂前でお経を唱えている白い装束をまとったお遍路さんが何人もいました。みんなそれぞれの思い、願いをお遍路という形に託しているのでしょう。
四国霊場の長い歴史の中で背負ってきた、数え切れないほどの人たちの想いが詰まっているようで、自転車ついでに立ち寄った僕はちょっと場違いな感じがしてしまいました。それくらいの重厚さがあります
境内には立派な塔を含め、色々なお堂や建物が配置されています。お遍路さんたちは、それぞれのお堂の前でお経を上げていました。周りは住宅街だというのに、一歩境内に入ると木々が茂り、山深いお寺にいるかのような感覚になります。
本堂の裏手に真っ白な猫がまったりしていました。本来僕は犬派なので、猫を写真に撮ることは珍しいのですが、あまりにものんびり気持ちよさそうにしていたので、ついついパチリとしてしまいました。朝のさわやかな空気に静かな境内と猫、とても心地よい空間です。
続いては道後公園へ。道後公園は湯築城という城郭跡に整備された公園で、園内には庭園や、写真のような武家屋敷が再現されています。園内に自転車を停め、くるっと一周した後徒歩で道後温泉へと向かいました。
道後温泉への道すがら、伊佐爾波(いさにわ)神社という歴史のある神社があったので、立ち寄りました。見るからに古そうな石段がずっと上の方まで続いています。朝一からいい運動になります。
お社は八幡造りといい、朱塗りがとても美しい。ここでお参りをし、中を一周できたので早速見学することに。
朝日を浴びた朱塗りの建物がなんともいえない雰囲気を醸し出しています。心が洗われるような眺めです。
帰りに見た石段の上からの風景。小さくて目立ちませんが、正面には伊予鉄の道後温泉駅引込み線があり、ひっきりなしに路面電車が行き来しています。これぞ松山、という風景。
石段で軽く汗をかいた後は、待ちに待った『道後温泉本館』でさっぱりしました。料金体系は、休憩の有無や浴場の違いにより3つに分かれています。休憩付きでも利用は1時間までと決まっているので、ゆっくりお湯を楽しみたい僕は、入浴のみを選択しました。
中に入るとレトロな柱や天井がいい具合に黒光りし、その歴史を滲ませています。浴室は改装したのでしょうか、とてもきれいな大理石造りになっていて、気持ちよく入浴することができます。
肝心の温泉は、無色透明のさらさら湯。肌にすっと馴染んでゆきます。愛媛県の条例により、塩素消毒はされてしまっていますが、あまり塩素臭さは感じられませんでした。
驚いたのは湯量。もったいないなぁ、と思う位のお湯が湯口から掛け流され、こぼれていきます。浴槽は深めで、足がかりとなる細めの段差に腰掛けて浸かります。
高い天井を眺めながらしばらく浸かっていると、額からボロボロ汗がこぼれてきます。無色透明でさらっとしているとはいえ、そこは古くから知られる名湯。効能はしっかりしているのでしょう。出たり入ったりを繰り返しながら45分ほどお湯を楽しみました。
すっかり茹ってしまった僕は、この軒下で涼むことにしました。ここなら強い日差しも避けることができ、涼しい風を浴びながらリラックスできます。軒を支える梁の装飾も美しい。
道後温泉本館の斜向かいに、いろいろなお店が集まっている一角があります。そこのジュースやさんで買った愛媛特産のみかんジュース。
みかんの違いによりいくつか種類がありましたが、甘すぎず酸っぱすぎずということで、みかんとぽんかんをブレンドしたものを購入。
甘味と酸味が丁度良いバランスで、100%でありながら、あの独特のイヤなドロドロさも無く、すっきりおいしく飲めました。道後温泉の湯あがりに、古きよき建物の軒下で愛媛名産を楽しむ。あぁ、ここに来てよかった~!
この後も自転車に乗らなければならないので泣く泣く我慢しましたが、本館の真横に地ビールのお店があります。湯上りに地ビール、きっと堪らないくらいおいしいこと、間違いなしです。
それにしても、この建物は本当に美しい。どの角度から見てもいい味を出しています。このような建造物は未来まで永久に残して欲しいものです。
本館の建築美を満喫し、駅前へと向かいました。夜の雰囲気とはまた違い、昼の顔もいいものです。
駅前に坊ちゃん列車が停まっていました。明治に伊予鉄を走っていた小さなSLを模した列車です。一日何回も松山市内を行ったり来たり。結構目にすることができます。
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