大勢の参拝客でにぎわうおはらい町を抜け、内宮の入口に到着。前回訪れた時は架け替えられたばかりだった宇治橋も、4年の歳月を経て落ち着いた姿に。木の建築は、時を経て佇まいを変化させる。日本の建築美、そのものです。
宇治橋の上から眺める五十鈴川。冬の太陽を優しく映すこの川を渡れば、いよいよ内宮の神域へと入ります。五十鈴川は俗界と聖界を分ける川、そしてこの宇治橋は俗界と聖界を結ぶ橋。
神宮の深い森に包まれる参道を、玉砂利を踏みしめながら進みます。それにしても凄い人。前回訪れた時のひっそりとした雰囲気とは全然違いますが、冬晴れの光に包まれたこの賑やかな雰囲気もまた良いものです。
五十鈴川の河畔へと下り、手を洗い清めます。底まで見える清らかな水がさらさらと流れる姿は、穏やかそのもの。伊勢神宮は、古より守られてきた自然によって形づくられています。
五十鈴川の流れに心まで清められ、再び参道を進みます。見上げれば、首が痛くなるほどまでに成長した木々。その先には抜けるような冬の青空が広がります。
緑に包まれた参道の突き当り、内宮の正宮に到着。こちらも遷宮したばかりで、火に照らされ輝く白木が美しい。
僕は神社の宗教的なことは分かりませんが、僕がここ伊勢神宮に来て一番感じること、それはこの自然自体に神々しさを感じるということ。古くからここを神域とし、人々に守られてきた自然。それは当時から変わらない日本の豊かな自然そのものの姿であるに違いありません。
神社仏閣を訪れ、荘厳な建築美を見るのも好きですが、伊勢神宮はこの自然を肌で感じられることが素晴らしい。二度目の参拝でしたが、やはりその力には圧倒されます。正宮の奥に広がる伊勢の森と空を眺めれば、小さいことなど吹き飛んでしまうような清々しさに包まれます。
参拝を終えた帰り、前回訪れた時に眺めたポイントで宇治橋を眺めます。自然の美しさと、人々が神に敬意を表し造り上げた橋や社殿。それらが一体となり、伊勢神宮の魅力となる。4年を経てまた違った印象を与える宇治橋を眺め、また数年後にここへ来てみたい、そう思うのでした。
再び賑やかなおはらい町を歩き、伊勢と言えば、の『赤福』に到着。甘いものがそれほど得意ではない僕は、実は赤福餅がちょっと苦手。ならばなぜ赤福に来たかと言えば、のぼりを見て気になったあのおやつを食べてみたかったから。
立派な赤福本店の向かいで注文し、待つことしばし。お待ちかねの赤福ぜんざいが運ばれてきました。
ぜんざいと言えば粒あんのイメージですが、こちらはこしあんと粒あんのダブル使い。赤福餅のこしあんを感じさせるおしるこの中に、粒つぶのふっくらとした小豆がたっぷり入っています。
この小豆がとっても美味しい。程よい甘さで豆の味をしっかり感じられます。ふっくらと炊かれているので、粒あんにありがちな小豆の皮の嫌な感じもありません。
おもちは焼きたての香ばしいもので、独特の伸びのある食感。こしあんが入っているためおもちとの馴染も良く、ちょうど良い甘さも相まって一気に平らげてしまいました。赤福ぜんざい、普段和菓子を食べない僕も一発でファンになりました。
お参りし、うどんを食べ、ぜんざいを食べ。二度目のお伊勢さんもしっかり満喫しました。次はいつ来られるかな。離れる前から再訪を願いつつ、後ろ髪を引かれる思いで賑やかな参道を後にするのでした。
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