祇園で美味しい豆腐とお料理を頂き、京都気分を満喫したところで、次の場所を目指します。
祇園から河原町方面へと歩き、『村上重本店』へ。ここで自分用のお土産を購入。相方さんが帰京時にここのが美味しいらしいと聞いたそうで、千枚漬けが大好物の僕に教えてくれました。
見るからに老舗という店構えの店内には様々なお漬物が並び、色々欲しくなってしまいます。でも、うちで漬物を食べるのは僕だけ。ここはグッとこらえ、千枚漬けだけを購入。
家に帰ってから頂きましたが、ひと言で言えば、こんな千枚漬けは食べたことが無い!普通の千枚漬けより厚めに切られた、しっかりとした聖護院かぶら。昆布と塩、鷹の爪だけのシンプルな味付け。それなのに、素材から出た旨味が組み合わさり、漬物として熟成された深い味わい。
普通の千枚漬けをイメージして食べると、驚くこと間違いなし。こんなにシンプルで深い味わいの千枚漬けを初めて食べました。あぁ、また食べたい。
四条河原町からバスに乗り、銀閣寺へと向かいます。バス停から銀閣寺へは、有名な哲学の道をのんびり歩きます。琵琶湖疏水沿いに並ぶ立派な桜。春になれば、きっと素晴らしい景色になることでしょう。
相方さんがほらあそこ、と指差した先には、昨日の雪の名残に浮かぶ大文字が。大文字焼の大の字のひとつがここにあると初めて知りました。
そして、ずっと来たいと思い続けるも今回が初めてとなる、銀閣寺へ。入口から、両側に迫る高く立派な生垣に圧倒されます。
境内へと入ると、まず目を引くのが立派なお庭。白砂と、松や苔の緑の対比が美しく、思わずため息がこぼれます。晴れの日の輝く白砂もきれいでしょうが、雨にしっとりと濡れた今日のこの姿もとてもきれい。
そして、初めての対面となる銀閣。中学校の修学旅行の時は、銀箔を貼ってない銀閣寺より、金箔の貼ってある金閣寺に行こうよ、という子供らしい理由から、そして以前に自転車で訪れた際は屋根の葺き替え工事中で見られないという理由で、今まで訪れることはありませんでした。
が、今回初めて訪れてみて、一目惚れ。落ち着いた佇まいの銀閣と、それを囲む美しい庭園。金閣のどうだ!というきらびやかさも好きですが、このモノクロームに緑だけが映えるしっとしとした雰囲気もまた好き。
海を思わせるような銀沙灘と、不思議な形をした向月台。全てが白砂で作られいますが、砂の見せる表情の違いにより、奥行きと広がりを感じます。そしてその奥には、優美な姿の銀閣。素晴らしい組み合わせです。
モノクロの世界から一転、お庭を進むと苔の緑が支配する一角へ。雨に打たれ、柔らかさと瑞々しさを感じさせる苔に、昨日の雪が少しだけ残っています。
銀閣寺の境内は思っていたよりも広く、山裾までお庭が広がっています。苔の緑を味わいつつ石段を上れば、歩くごとに刻一刻と変える表情を味わえます。
登り切れば、銀閣や銀沙灘越しに広がる京都の街並みを一望のもとに。本当にモノクロームと緑だけの世界。有名なお寺で人もたくさんいるのに、これほどまでに落ち着いた場所だとは想像もしていませんでした。
山から池へと下り、今一度銀閣の姿を間近で眺めます。木の持つ深い茶と、白の対比が美しい銀閣。この建物は銀箔が貼られなくて良かったのだろう。この美しい曲線美を素直に味わえるこの姿に、すっかり虜になってしまいました。
初めての銀閣寺。京都の有名な観光地をイメージして訪れたその場所は、庭と建物と緑が美しい、静かで落ち着いた空気に包まれる場所でした。
実際に来てみなければ分からないこと、感じられないことがある。だからこそ、旅は楽しいもの。銀閣寺との初対面により、またひとつ僕の知らない京都を知ることができました。
コメント