大阪に来て食べたいものと言えば、串カツや粉もの。でも敢えて今回は、冬に食べたいあのふくれっ面の魚を満喫することに。相方さんいわく、関西はふぐを食べる機会が多いので、東京よりも安くて美味しいふぐが食べられるとのこと。
それならばと、大阪でふぐといえばのベタな『づぼらや』にお邪魔することに。この看板や提灯はここへ来る度に見ていたものの、入るのは初めて。
ふぐを食べに来たならば、まずは外せないひれ酒を注文。あの、とらふぐのひれ、めちゃくちゃ入ってるんですけど。初っ端から東京との違いに先制攻撃を食らいました。
これだけひれが入っていれば、味わいは濃厚でない訳がありません。色を見ても一目瞭然。かといってくどい訳では無く、ふぐひれの上品な旨味が日本酒に溶けだしています。注ぎ酒をおかわりしても、何杯も楽しめる。今晩はこれでいくことに決めました。
ふぐと言えばまずはこれ、上てっさを注文。ここづぼらやで、普通と上の違いは、養殖か天然かの違いのよう。天然のとらふぐですが、一人前2,100円とお手頃価格。東京ではまずこの値段で食べることはできません。
久々の天然とらふぐということで、わくわくして口へと運びます。まず感じるのは、ふぐも魚だということ。決して生臭いという訳ではありませんが、魚としての旨味が濃い、これが第一印象。そして一番の違いは、皮が旨い!ふぐ皮好きとしては、このコラーゲン感は堪りません。
ふぐ皮好きついでに、ふぐ皮の唐揚げを注文。お値段ははっきりとは覚えていませんが、安かったのは覚えています。
湯引きの皮とは違い、カラッと揚がったふぐ皮はまた違った旨さ。薄く塩味が付いているのでそのままでも美味しいのですが、てっさで余ったポン酢を少し付けてもまた美味しい。こんなスナックがあったら、いつまでも食べていたい。ふぐ皮美味しいなぁ♪
続いて、上てっちりを注文。写真は上てっちりの野菜あり1人前と、野菜抜き1人前。天然のとらふぐで1人前4,900円、このお値段はどこからくるのでしょう。
酒のみ2人は野菜は1人前で十分。というか、1人前でこのふぐと野菜の量は結構なボリューム。さらに、野菜抜きの追加ふぐは、身とあらの好きな方を選べます。づぼらや、東京に来てくれないかな。なんて素晴らしいシステムなんでしょう。
大ぶりに切られたふぐは、弾力と白身の上品が思いっきり詰まっています。本当に魚としての旨味が濃い。そして、あらの部分の皮もまた旨い。そんなふぐから染み出た旨味を野菜が吸い、これだけで何杯ひれ酒を飲んだことか。思い出すだけでよだれが出てきてしまう。忘れられない美味しさです。
そんな幸せな夜ももうすぐ終わり。てっちりを食べるのはこれがあるから、そういっても過言ではないほどの旨さを持つ雑炊で〆ます。
ふぐの旨味が濃い分、いつもの雑炊よりも一層の美味しさ。胃を通して全身へと染み渡っていくような旨さと幸福感に浸りつつ、名残を惜しむかのように味わうのでした。
またしても、大阪の味にやられましたよ。ここへ来る度に、東京で外食することがバカバカしくなってしまう。別に東京に美味しいものが無い訳ではありませんが、関西の価格と質のバランスを見てしまうと、東京価格には疑問を持たない訳にはいかなくなります。
そしてやっぱり、僕は東京よりも関西の味付けが好きなのかも。コテコテのものもあれば、薄味で美味しいものも揃っている。ここには、「本当にきちんと美味しいもの」が色々あります。大阪、好きです。街も味も。
づぼらやとかに道楽は余りにもベタ過ぎるので、自分ではきっと行くことは無かったと思います。が、相方さんのチョイスに拍手。あんな値段で美味しいふぐを食べたら、東京でふぐなんて馬鹿らしくなってしまいます。
それほどの満足感に包まれ、ほろ酔い気分でミナミの街をのんびり散歩。最初来た時よりも随分ときれいになった道頓堀川の河畔へと降りてみます。
いつもは戎橋の上から眺めるグリコの電飾看板も、河畔から眺めるのは初めて。見上げる形になるこのアングルは、一層大きさを際立たせます。
きらきらと色を変え続ける、道頓堀のネオンの数々。大阪の街の雰囲気に、味覚にすっかりと染められ、僕の心はグリコのように万々歳をしているのでした。
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