冬の山陰味な旅~サンライズで暁の、その先へ。 5日目③~

冬晴れを映す京都駅

鳥取から振子ディーゼルのダイナミックな走りを楽しむこと約3時間、京都駅に到着。当初の予定では、前日に城崎温泉に宿泊し、ここで特急から新幹線へ乗り継いで名古屋で泊まるはずでした。

でも京都には美味しいもの、美味しいお酒がいっぱい。急な予定変更ですが、京都に泊まるのもまたいいものです。

冬晴れに映える京都タワー

京都に降りたら条件反射的に見上げてしまう京都タワー。真っ青な冬空に、白い塔がすらりと映えます。

昭和レトロな京都タワービル内部

駅前の交差点を渡り、京都タワーのビルの1階へ。そういえば、京都タワーは好きで眺めていても、この建物に入るのは多分25年ぶりくらい。思いっきりレトロ感満載で、記憶に残る当時の雰囲気そのまま。

そういえば、東京タワーもこんな雰囲気でした。リニューアルしてからは行ったこと無いのですが、だいぶおしゃれになったようです。でもあの垢抜けない、昭和丸出しの東京タワーが好きだったんだよなぁ。ペナントや置物がいっぱい売っていて、薄暗い蝋人形館があって。

そんな良い意味で昭和の観光地を色濃く残すこの建物は、変にリニューアルなどせず、この良い雰囲気をずっと残してもらいたいですね。

京都烏丸通東本願寺の門

京都人の相方の横で、ベッタベタな京都を味わいはしゃぐ僕。こんなに扇子や幟などの、いかにも修学旅行生や外国人受けしそうなものばかり並ぶお土産屋さんは久々なので、年甲斐も無く修学旅行気分に浸ってしまいます。

京都タワービルを出て、烏丸通を進みます。途中には東本願寺の立派な門が。この門だけでもかなりの迫力で、木造建築ながらビル何階分?と思うほどの高さ。このような歴史ある立派なお寺が、当たり前に街中に点在している。京都って、やっぱりすごい街です。

京都烏丸通ビルに保存された京都市電

烏丸通をのんびり歩いていると、相方が確かこの辺に市電が置いてあるのを見た気がすると言い、すぐ先のビルの中に保存してあるのを発見。ウインドーの中にしっかりと仕舞われているので、良く見ないと気が付かないかもしれません。

日本で初めての電車京都市電

京都は日本で一番最初に電車が走った街。それが京都市電。緩いアーチが印象的な窓や、白地に映えるエンジのラインなど、とてもハイカラでおしゃれなデザイン。初めて見ましたが、寺社と和洋建築の並ぶ京都の街並みに、きっとマッチしていたに違いありません。

風情ある夜の京都先斗町

四条通近くのまだ新しいビジネスホテルにチェックインし、京都の街へと繰り出します。携帯であらかためぼしをつけておいたお店を目指すため、夕闇の四条通を歩きます。

河原町駅を通り過ぎ、先斗町へ。東京人の僕にとって、この夜の先斗町の雰囲気だけでも鳥肌物。京都へ来た!!と弥が上にも気分が盛り上がってしまいます。

京都先斗町串ェ門

京都の夜を楽しむ舞台に選んだのは、『串ェ門』。先斗町の真っ只中にあり、あらかじめ調べておかないと、小心者の僕には入れないようなロケーション。

でも良く良く見ると、この辺りもひょいっと入れそうな居酒屋系のお店がたくさんありました。何となく一見さんお断り、のイメージの強い京都ですが、観光客でも楽しめそうなお店が結構あるんですね。

京都先斗町串ェ門冬の鴨川テラス

この鴨川にせり出したテラスが、このお店を選んだ大きな理由。所謂床とは造りが違いますが、同じような気分を味わえます。

寒い冬でも窓がはめ込まれ、ガスファンヒーターでしっかり暖房してあるので、凍えることなく京都の夜景を楽しむことができます。本当に贅沢なロケーション。

京都先斗町串ェ門お通し

こちらはお通し。魚の揚げたものに京都の白味噌が掛かっています。この白味噌がまた美味。おだしがしっかりきき、塩分控えめ。白味噌の優しい甘さがフワッと広がります。

京都先斗町串ェ門ゆば刺し

やっぱり京都に来たら食べたいのが、ゆば刺し。とろとろのものと、重ねられたしっかりめのもの、2種類を楽しむことができます。

とろとろのほうは、見た目の通り本当にとろりとまろやか、クリーミー。豆乳をそのまま食べているかのような口どけに、京の美酒が進んでしまいます。

しっかり目の方は、噛みしめると大豆の風味がふわっと広がり、しみじみと美味しさを楽しむことができます。

京都のゆばは、どうしてこうも美味しいのでしょう。やっぱり水の違いなのでしょうか。何度食べてもその美味しさに驚かされます。

京都先斗町串ェ門海老芋の唐揚げ

こちらは海老芋の唐揚げ。ほんのり甘く煮た海老芋がからりと揚げられています。揚げた海老芋の食感は独特。ホクホクというよりとろっとクリーミーで、それだけでクリームコロッケのよう。僕の大好きな食材のひとつです。

京都先斗町串ェ門豚の角煮

こちらは豚の角煮。色は薄いのに味はしっかり浸み込み、甘さは控えめ。この角煮は、僕の理想に限りなく近い一品。実家の角煮を思い出します。残念ながら、僕にはまだその味が出せません。

そんな豚の美味しいエキスが詰まった煮汁を吸った大根も、筋っぽさがまったく無くジューシーで美味。

京都先斗町串ェ門串かつ

そしてお店の売りである串カツ。きめの細かいパン粉を纏った串カツはさくっと軽い食感で、そえられた特製ソースがまた美味しい。スパイシーな大阪の串カツソースとはまた違う、濃度のあるまろやかなソース。

その他にもいろいろとちょこちょこつまみ、明るすぎない上品な京の夜景と旨い酒に酔いしれる至福のとき。こちらのお店はメニューにバリエーションがあり、どれも美味しい。京都の素材もたくさん使われており、京都を満喫したい我々観光客にとっても嬉しいお店です。

ほろ酔いで歩く夜の京都艶のある小路

せっかくの京都の夜、1軒だけで終わらせてしまうのはもったいない!ということで、良い頃合でお店を出ます。

ほろ酔いの良い気分で、京都の夜をふらふら散策。酔いというフィルターを掛けて見る京の街は、より一層艶やかさを増します。

ほろ酔いで歩く夜の京都高瀬川

さらさらと流れる小川の川面に映る街の明かり。ギラギラとした東京の夜とは違い、京都の街は本当に上品。

そういえば、相方と京都に来るのは2回目。相方は京都のホテルに泊まること自体初めてだと言っていました。ぽつりぽつりと話す、相方の子供の頃のことなどをを聞きながら歩くこの街は、何となくいつもと違う印象を受けます。

僕にとっては、いつ来ても上品で美しい街、京都。相方はこんなところが故郷なんだなぁ。そんなことをじんわりと考えてしまいます。

夜の京都闇に浮かぶ町屋風ノースフェイス

アウトドアブランド、ノースフェイスも、京の街にかかればこの佇まい。閉店後なのでしょうが、格子戸に浮かび上がるマネキンは、和洋折衷、独特のおしゃれさを感じさせます。

京都錦市場そばさかえ庵

先斗町からのんびり歩き、夜の錦市場を抜けたところでおそば屋さんを発見。『さかえ庵』で日本酒とそばを愉しむことにしました。

結論から言えば、このお店は大当たり!つまみ良し、そば良し、地酒良しと三拍子そろっています。

お通しに出てきたのは切り干し大根ときんぴらごぼう。切干は薄味なのにだしがしっかり香り美味。きんぴらはこの上なく細く切られ、今までこんな上品なきんぴらは食べたこと無いというもの。

おばんざいなんて家庭料理になんのありがたみがあるんだろう。いつもそう言う目の前の地元民に、力説してやりました。同じ切干やきんぴらでも、味付けから何から違うんだ。馴染みのある料理がこれほど上品で美味しい。東京には無い、出せない味だから、みんな喜ぶんだよ!と。

これには相方も珍しく納得。灯台下暗し、こんなに美味しいものが転がっているのに気付かないなんて、勿体無い。

こちらは京都を始め全国の美味しい酒が豊富に揃っており、のんべぇには堪らない楽園。だしのしっかりきいた出し巻き卵などのつまみで、グングンどんどん飲んでしまいます。

そして一番の衝撃の旨さだったのが、京鴨のたたき。鴨を生で食べたのは初めてでしたが、その旨いこと。

鴨特有の厚めの脂は全く臭みが無く、口に入れただけで溶けてしまう代物。赤身はきめ細かく旨味が強い、まさにたたきにもってこいの肉質。どうやらこのお店のイチオシ食材のようで、他にもいろいろメニューがありました。うぅん、どれも食べてみたい。

そんな美味しいつまみをアテにしこたま飲んだ後は、〆のおそば。京といえば、ということで迷わずにしんそばを注文。前回八坂神社の近くのお店でにしんそばを食べて以来、京都のにしんそばの旨さを知ってしまった僕。このお店のそれも、僕の期待を裏切らない、それ以上の美味しさでした。

関西のそばつゆは、何度見てもやっぱり薄い。でもだからこそ、甘辛く炊いたほろりとしたにしんの旨味が活きてくる。東京の黒いつゆでは、にしんの濃さとぶつかりくどく感じてしまう。やっぱり、京都のにしんそばは絶品。本当に美味しかった・・・。

京都品のある繁華街夜の四条通

出てくる料理が当たり前に美味しい。関西は何でこうも食べ物が美味しいのでしょうか。東京へ帰ると、いつも高くて外れのある外食にガッカリします。東京のお店も、もうちょっと頑張って欲しいものです。

そんな京の美酒美食を満喫し、ご機嫌な足取りで歩く四条通。中心地であるにもかかわらず、どことなく上品で落ち着いた街並み。東京の無節操な街並みとは違い、京都は街づくりにこだわっているだけあり、本当に美しい街並み。

都会なのに都の雅さを感じさせる、そんな街並みに触れ、京都の夜を心ゆくまで感じるのでした。

冬の山陰味な旅~サンライズで暁の、その先へ~
三朝温泉依山楼岩崎タグ付き活松葉ガニ温泉蒸し
2012.2 島根/鳥取/京都
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