石垣で迎える4日目の朝。昨日は台風の名残を感じさせる空模様でしたが、今朝はすっきり爽快に晴れ渡る空。今日一日の濃い夏を約束してくれるような鮮やかな青さが、寝起きの眼に沁みてゆきます。
全身に八重山の青さを浴びたところで、お待ちかねの朝食を。今朝ももちろんご飯食。旅先での朝食は、やっぱり和食に限ります。
今朝は昨日以上に沖縄の郷土色豊かな品々が並ぶバイキング。昆布イリチーは昆布と八重山かまぼこの相性がよく、穏やかな旨味がご飯にピッタリ。
麩チャンプルーは車麩の食感が美味しく、麩とは思えないしっかりとした食べごたえ。青パパイヤの酢の物は、イメージとは全く違い青臭さはゼロ。
そして印象に残ったのが田芋の天ぷら。甘めに煮た田芋に衣を付けて揚げたものですが、その食感が絶妙。里芋のような繊維質は感じさせず、そして里芋とは比較にならないほどの粘りともっちり感。それでいて口溶けはよく、ひと口ですっかり気に入ってしまいました。
美味しい朝食をお腹一杯味わい、腹ごなしの散策へと出かけます。ホテルの裏山へと続く坂道を、あてもなくのんびり、ぶらぶら。
すると藪でうごめく大きな影を発見。ズームで撮ってみると、それは野生の孔雀。帰宅後調べてみると、どうやら人間が持ち込んだものだそう。今では様々な島で繁殖しているようで、生態系を壊す厄介者なのだそう。
大きな孔雀を見送り、さらに奥へと進みます。風に吹かれ、ささやくようにざわざわと音を立てて揺れるさとうきび。どこからかあの歌が聞こえてくるかのような、夏の沖縄そのものの風景。
ジリジリと灼くような陽射しを肌に感じつつ進むと、今度は放し飼いにされた馬を発見。風に揺れる草原に立ちつくし、こちらをじっと見つめています。孔雀に馬、すごいよなぁ。
小高い丘のてっぺんまで登り詰め、ふと振り返ればこの眺め。柔らかい緑の草原の先には、これでもかと青さを放つ空と海。特別なものなどいらない。この夏色を味わえただけで、石垣へやってきた甲斐があるというもの。
そして視線を左へと向ければ、今度は牛たちが憩う牧場が。黒々と輝く立派な数頭の牛が、水を飲んだり草を食んだりと、思い思いの朝の時間を過ごします。
孔雀に馬、そして牛。思いがけず動物園状態となった腹ごなしの散歩。観光地でも何でもないところを歩いてみる。そんな無駄な時間こそが、本当の贅沢なのかもしれません。
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