碧の八重山、至極の夏。~4日目 ③~ | 旅は未知連れ酔わな酒

碧の八重山、至極の夏。~4日目 ③~

石垣島八重山郷土料理舟蔵の里入口 旅グルメ

フサキビーチで八重山感満点の時間を過ごし、ホテルで寝ころぶ穏やかな午後。することもなくただただだらだらしていると、夕飯の予約の時間に。昨日のお昼に続き、今夜も『舟蔵の里』にお邪魔します。

石垣島八重山郷土料理舟蔵の里情緒あるアプローチ
ここ舟蔵の里は、広い敷地内に移築された大小さまざまな古民家が点在。八重山の古きよき集落を感じさせる空気感は、これだけでも味わう価値があると思えるほどの濃厚さ。

石垣島八重山郷土料理舟蔵の里古民家ダイニング
深い緑と花々に彩られたアプローチを進み、どっしりとした佇まいの古民家へ。それにしてもやっぱり八重山の日は長い。時刻は18時前だというのに、太陽の力はまだまだ弱まることを知りません。

石垣島八重山郷土料理舟蔵の里ピィヤーシ風味の唐揚げ
こちらは会席料理のコースがメインですが、豊富な一品料理のメニューから好きなものを選んで楽しむこともできます。

八重山の郷土料理がたくさん並ぶメニューは、見ているだけでわくわくが止まらない。どれにしようかと、目移りしっぱなし。

そんな中から数品選び、まず運ばれてきたのがこの唐揚げ。カリッと揚げられた衣を噛めば、ジューシーさとともにほんのりとした独特な香りが。

この唐揚げには竹富島名産のピィヤーシ(島胡椒)が使われており、それが独特な風味の正体。八重山そばにも欠かせない香辛料ですが、この主張しすぎない、それでいてほんのりと気配を感じさせる風味はクセになります。

石垣島八重山郷土料理舟蔵の里地豆豆腐の揚げ出しとラフテー
続いてはこの二品。左は地豆豆腐の揚げ出し。僕の好物であるジーマーミ豆腐。沖縄の言葉に馴染みがないため、どうしてもこのカタカナ表記で覚えがち。ですがこうして漢字表記にしてみると、おぉそうなんだ!と納得してしまいます。

ふるふるとした感触の揚げ出しをひと口頬張れば、熱々になったジーマーミ豆腐が口の中へと一気に溶け出します。濃厚さとはまた違う、穏やかな優しい落花生の風味。それを邪魔しない上品なだしが、ジーマーミ豆腐を一層美味しくしてくれます。

そして右は、言わずと知れたラフテー。決して濃すぎず、それでいて赤身の芯まで味が浸み、もう格別のひと言。もちろん皮も付いており、それがまた堪らない。これまでお店で食べた角煮の中で、間違いなく一番のお気に入り。旨い、旨いぞ♪

石垣島八重山郷土料理舟蔵の里かつおのねぎまみれ
こちらは本日のおすすめメニューから選んだ、かつおのねぎまみれ。魚の美味しい沖縄らしく、真っ赤なかつおはもっちもち。たっぷりと載せられたねぎと甘めのたれが、赤身の旨味を最大限に引き立てます。

石垣島八重山郷土料理舟蔵の里からす豆腐の盛り合わせ
続いてはからす豆腐の盛り合わせ。からすとは塩辛のことで、いかすみ塩辛、島だこの塩辛、そしてインパクト抜群のスクガラスの三種が島豆腐に載せられています。

どの塩辛も、それだけで泡盛がすすんでしまう旨さ。それを受け止めるベースの島豆腐との相性もバッチリで、これは本当に本当に呑兵衛殺し。

石垣島八重山郷土料理舟蔵の里三線と八重山舞踊のライブ
しっとりと落ち着いた雰囲気の古民家で味わう、八重山の味。そんな時間をより一層味わい深いものにしてくれるのが、この三線と八重山舞踊のライブ。

料理と泡盛に酔いつつ聴く三線の音色は、力強くもあり、けれども儚げで寂しげでもあり。

何故だろう、三線と津軽三味線を聴くと、必ずと言っていいほど涙が出そうになる。僕の遺伝子の中に共鳴する何かが埋め込まれているのだろうか。この本能的な感覚は、何度味わっても色褪せることがない。

何かを訴えかけるような三線の調べと、独特なしなやかさが美しい八重山舞踊。終盤にはお客さんも一緒に踊れる時間があり、気付けば自分も笑顔で踊っていた。

子供の頃からそういうのが苦手で、ディズニーランドですらみんなと一緒に声を出せないほど。それなのに、なぜか今は嫌じゃない。嫌じゃないどころか、めちゃくちゃ楽しい。

そんな自分の何かがはじけた夜。そんな貴重な体験をしたのに、これが八重山での最後の夜。あぁもっともっと長く居られたなら。叶わぬ願いを秘めつつ、残りの夜を泡盛と共に存分に感じるのでした。

碧の八重山、至極の夏。
由布島へ向かう水牛車と青い空
2017.7 沖縄
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●1日目(東京⇒石垣島)
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●2日目(西表島・由布島)
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●3日目(石垣島滞在)
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●4日目(フサキ・舟蔵の里)
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●5日目(竹富島⇒東京)
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