今年も抱えきれぬほどの想い出をくれた竹富島。来年へとつながるあおさを胸にしまい、『八重山観光フェリー』で石垣島へと戻ります。
船はエンジン音を高鳴らせ、ゆっくりと離岸。船窓には、だんだんと遠ざかりゆく竹富港。次があると信じつつも、やはり船での別れは切なさ募る。ありがとう、本当に今年も良い時間を過ごさせてもらいました。そしてまた来年、逢いに来ます。
久々に乗った、小型の高速船。海面すれすれの視点からのダイナミックな船窓を楽しみ、あっという間の10分で石垣港に到着。具志堅さん、今年も離島へと誘ってくれてありがとうございました。
7泊8日、長いようであっという間だったな・・・。そう思えてしまうのは、それだけ今回の旅も充実していたという証拠。梅雨の終わりから夏の始まりまで、この旅で出逢えた八重山の豊かな表情を反芻しつつ、『七人本舗』のマリヤシェイク泡盛味を噛みしめます。
ホテルへと戻り、日焼けの気怠さに微睡みつつぼんやり過ごす夕刻前。窓の外は黄金色に染まりはじめ、夜を迎える準備を進めているよう。この夕景を眺めるのも、今年はこれで最後。そう思うと、贅沢だとは知りつつもやはり切なさがこみ上げる。
まだまだ明るい街に繰り出し、この旅最後の宴を楽しむことに。今夜お邪魔するのは、『居酒屋海八』。釣りやシュノーケリングの船を運航する会社が経営しているようで、ここでは釣った魚を調理してくれるそう。
お通しで運ばれてきたのは、うむくじの天ぷら。紅芋の天ぷらかな?と食べてみると、もっちもちとした食感と広がる芋の風味に甘味。後で調べてみると、さつまいものでんぷんと紅芋で作られているそう。もうこれ、間違いなく泡盛誘うやつ。
最後の日はやっぱり石垣の魚が食べたいと注文した、刺し身盛り合わせ。まぐろはもっちりとした食感で、旨味がありながら淡白なおいしさ。石垣のまぐろって、本当に旨いよなぁ。
セーイカは、ねっとりとした食感と甘味が間違いのない旨さ。青い皮目が南国らしさを感じさせるイラブチャーも旨味が濃く、炙られたさわらは本州では食べたことのない瑞々しさ。
やっぱり石垣は魚が旨い!おいしいお刺身に舌鼓を打っていると、続いてじーまみ豆腐が到着。大ぶりのじーまみ豆腐は、もっちりとしたしっかり目の食感が印象的。じんわりと広がる落花生の風味が、泡盛を飲めと勧めてくるかのよう。
続いて注文したのは、アーサーともずくの天ぷら。まずはアーサーをひと口。サクッとした食感とともに、ぶわっと広がる海の香り。それでいて磯臭くなく、そこがアーサーの不思議なところ。
もずくの天ぷらは、もずく自身のとろみからくるもっちり感が特徴。表面さくっと中もちもちの衣からは、穏やかなもずくの風味が広がります。
続いては牛すじ煮込みを。美崎牛のすじが使われており、あっさりとした塩味が牛の旨味や脂の甘味を邪魔することなく引き出しています。このすじ煮込み、僕好み。
おいしい料理と泡盛で満たされ、ホテルに戻り最後の夜の宴の続きを。初日に買った八重山がなくなったので、石垣ならではの於茂登を開けることに。癖のない飲みやすさで、気をつけないとクイクイ飲めてしまう旨い酒。
本当に、夏だったな・・・。大人になっても、夏休みって楽しめるものなんだな・・・。何もできなかった、去年の夏。その経験があったからこそ、今年の本気の夏が愛おしい。
もう明日は、いつもの東京の人に逆戻り。でも僕には、ここで得た眩さが染みついている。その輝きを胸に宿しているうちは、きっと次来るときまで頑張れる。そんな温かい気持ちを胸に、この夏の勲章である島ぞうり焼けを眺めるのでした。
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