昨晩は22時過ぎに夢の世界へと落ちて行ったため、昨日以上にすっきりとした目覚め。本日の予報は嬉しいことに曇りのち晴れ。雨はしばらくお休みのようなので、気兼ねなく露天での湯浴みを楽しめそう。
朝食はこの日も純和風の献立。焼き魚が変わり、小鉢の中身が変わり、漬物が変わり。シンプルながら必要十分、お腹と心を満たしてくれる美味しい朝食をひとり静かに頂きます。
今朝も目覚ましはかけなくとも自然と目が覚め清々しい朝を迎えました。が、朝食を食べると何となく眠くなり、9時過ぎまで布団でだらだらあちらとこちらの世界を行ったり来たり。
ぐうたらな時間を過ごし頭が冴えたところで再びお風呂へ。茅葺を眺めつつ浸かる大沢の湯も格別ですが、豊沢川の流れが作る緩い円弧を眺めつつ愉しむ湯浴みもまた格別。土手を彩る若々しい緑が、岩手の春の入口を教えてくれているかのよう。
昨日は一日雨で宿に籠もっていたので、今日は宿周辺をちょっとだけお散歩してみることに。宿泊者なら山水閣で自転車も貸してくれますが、今回はゆったりとした速度で岩手の早春を味わいたかったので歩くことにしました。
まだ耕されていない田んぼ。雪解け浅い岩手の春を感じてか、つくしが至るところに競い合うようにして頭を出していました。
田んぼを潤す小川の土手には、無数の小さい可憐な白い花々が。大輪の花には無い、健気で、ひたむきで、したたかな美しさを、小さいからだ一杯に溢れさせています。
その先には、畦に咲くたくさんのオオイヌノフグリが。鮮やかでいて上品な色をした小さな花。物心付いた少し後、親からこの花の名前を教わったときはびっくりししました。かわいい花なのだから、もっといい名前、なかったのかなぁ。
田んぼと、小川と、民家と、ときどき農作業をする人。そんな傍らをのんびり歩く散歩。自宅から遠い、遠い場所であるはずなのに、何故だかそんな気がしない。
そんな散歩道に立ち並ぶ、昔ながらの木の電信柱。小さい頃は東京にもこんなものがあったことを思い出します。
元気に育つふきのとう越しに見る残雪。この時期、東京ではとっくに桜も散り、下手をすれば夏日も出始める季節。遅い春の訪れを、草花の息吹と冬の名残で惜しげもなく魅せてくれます。
のんびり歩いて約45分。丁度良い散歩コースを楽しみ再び宿へ。その前に、宿の目の前にある佐々新酒店で足りないものを購入。
日用雑貨や野菜、冷凍のお肉、乾物、漬物、日配品など色々なものが置いてあります。大沢温泉の売店で足りないものは、ここに買いに来てもいいかもしれません。
部屋へと戻り、浴衣に着替え一段落。これが今日の散歩の収穫。歩きながらちゃっかりつくしを摘んできました。
そういえば、つくしって食べたことあったかな?そんなことが頭をよぎり、せっかくの自炊湯治という機会を活かして食してみることに。その美味しさはまた後ほど。
目的も無い。観たいものも無い。ただ気分転換に出てみただけの畦道散歩。その動機とは裏腹に、岩手の春の息吹をこれでもかというほど感じられた、かけがえの無い小旅行になりました。
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