この回では、大沢温泉自炊部に宿泊して入浴できるお風呂と、自炊部での料金や利用するにあたって知っておくと便利なことをまとめてみたいと思います。
まずはお風呂から。こちらは自炊部混浴露天の大沢の湯。言わずと知れた、大沢温泉を代表するお風呂です。
緩やかな弧を描いて流れてきた豊沢川沿いに作られ、対岸には茅葺や木造が味わい深い菊水館があり、箱庭のようなロケーションの中湯浴みを愉しむことができます。
入口側がぬるめ、写真手前側が熱めとなっており、自分好みの湯温と深さを探ることができます。
続いて自炊部の薬師の湯。石張りの床とタイル張りの浴槽といったシンプルな浴場ですが、高い天井を見上げつつ静かに浸かれば、お湯そのものを楽しむという湯治本来の目的を感じられます。写真手前がぬるめ、奥が熱めになっています。
こちらは菊水館の南部の湯。木造りの浴槽と壁が落ち着いた渋い雰囲気を演出し、浴場に良い木の香を漂わせています。こちらは寒い時期以外は窓が取り払われ半露天になるとのこと。
最後に山水閣の豊沢の湯。大きな浴槽にたっぷりのお湯が湛えられ、暗めの照明が湯煙をぼぉっと照らし幻想的な雰囲気。こちらも寒い時期以外には窓が取り払われ、開放的な半露天になります。初夏に訪れたときの眺めは最高でした。
続いて自炊部ならではの寝具等の貸し出し料金について。写真では見づらいかもしれませんので、書き出しておきます。(2012.4現在)
- 掛け布団 210円
- 敷布団 210円
- 毛布 210円
- マットレス 179円
- シーツ 74円
- 枕 10円
- ゆかた 210円
- 丹前 263円
- こたつ 315円
- バスタオル 105円
- ストーブ 630円
ストーブのみ1回あたりの料金で、それ以外は1日あたりの料金となっています。ゆかた、シーツ、カバーは1日1回の交換が料金に含まれているので、帳場へ持参すれば新しいものと交換してくれます。
長期滞在の場合はマイ布団を持ち込むことも可能だそう。布団持ち込みの湯治、古い写真で見るような世界です。
ちなみに、今回僕の利用したネットプランには、掛け布団、敷布団、毛布、枕があらかじめ含まれていました。それで1泊あたり寝具無しの通常料金と同程度。かなりお得です。
また、古い建物ゆえ電力供給に上限があるようで、電気を食うような電気製品の持ち込みは申告し、持ち込み料を払うシステムのようです。
続いてお部屋の設備、アメニティー関係。まずは用意されているもの。
- 地デジテレビ(無料)
- 冷蔵庫(無料)
- お茶セット(無料)
- ポット(無料・帳場で熱いお湯の入ったポットと交換可能)
- ガスコンロ(7~8分/10円)
無いもので必要だと思うもの
- ティッシュ
- タオル
- 歯ブラシセット
トイレ、洗面所は共同。トイレは部屋数にしては小さめなので、念のために他のトイレも数箇所把握しておくといいでしょう。個室はウォシュレットになっています。洗面所は自炊場に併設されています。
また、貴重品管理についてですが、部屋に金庫はありませんので、貴重品は全て帳場へ預けます。
帳場では番号札の付いた袋に入れてくれ、その番号札をくれるという方式。ゴム付きの札なので、心配性の方は入浴中でも肌身離さず着けていられるようになっています。
今回は売店や食堂も利用するつもりでいたので、100均で小銭入れを買い、必要最低限、盗られても諦められるくらいの金額を移し、持ち歩きました。
続いて売店。お土産品のほか、缶詰、小さい調味料、インスタントラーメン、インスタントコーヒー、お酒やジュースなどの飲料、乾麺類、せんべい汁キット、豆腐、漬物、納豆、大根、ねぎ、きのこ、ヨーグルトなどが売られています。
ただ、生鮮食料品は毎日の仕入れでは無さそうなので、自炊するつもりならばあらかじめ用意するか、足りないものは花巻のスーパーへ買出しに行くことになります。
大沢温泉の目の前の商店にも野菜や冷凍の肉、乾物や調味料、日用雑貨が売っているので、そちらも合わせて利用するといいかもしれません。
続いて共同の炊事場。10円コンロの他に無料で使える電子レンジが備えられています。
そのほか、大小土鍋やフライパン、普通の鍋、ざる、平皿、小鉢、茶碗、お椀、コップ、おちょこ、とっくり、箸、スプーン、フォーク、しゃもじ、お玉などなど、調理や食事に使うのに必要と思われる道具はほぼ揃っています。包丁だけは帳場から借りてきます。
ごみは燃えるごみ、びん、缶(アルミ・スチール)、生ごみという具合に自分でしっかり分別して捨てます。
最後に食堂やはぎのメニュー。こちらはたくさんあるので写真から読み取っていただけたらと思います。おつまみになりそうな一品から定食、麺類、丼物まで、幅広く取り揃えられています。これなら自炊しなくても気軽に湯治を楽しめます。
今回は利用しませんでしたが、部屋へ出前を頼む際には1品につき50円が掛かります。自分でテイクアウトすることも可能なようで、その場合は追加料金は掛からないようです。
おまけ。やはぎでは3食ご飯、お味噌汁だけの炊き出しがあります。おかずは自分で用意して炊き出しを利用する、というのもひとつの手。やはぎの入口の横にある炊き出しコーナーから持っていくようです。
その案内文の中に面白い文言が。「お米(精米)で炊き出し代の精算ができます。」いかにも米どころ東北の湯治場らしい一文ですね。
一所懸命にお米を育てて収穫した農家の方が、できたお米を持って農閑期に湯治にやってくる姿が目に浮かぶようです。きっと昔から続くここの文化なのでしょうね。
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