鉄輪の路地歩きを満喫し、再び地獄めぐりへと参ります。残りの地獄はバス通りから山の方へと点在しており、その一番手前に位置する白池地獄から見てみることに。
中へと入ると、もうもうと湯けむりを上げる白池地獄がおでまし。池の湯は青白い色をしており、沈殿物の分厚さにも目が行きます。いかにも源泉といった趣に、思わずいいお湯なんだろうなぁなどと考えてしまいます。
それにしても晴れたり曇ったりと忙しい天気。ここ白池地獄を訪れた時はちょうど雲間から光が射していました。青白い湯、立ち上る湯気、空を覆う雲。それぞれを太陽が照らし、それぞれの持つ違う白さを楽しめる幻想的な眺め。
そんな白池地獄で地獄より印象に残ったのがこれ。温泉熱を利用した熱帯魚館が併設されています。この感じ、かれこれ20年以上振りではないでしょうか。まさに、昭和の観光地。
もうこの世界感にグッときまくり。あった、あった、ありましたよ。僕の小さい頃まで観光地にはこんな施設がありましたよ。
まだこんな雰囲気の場所があったなんて、久々に忘れていた感覚を思い出します。これにフジカラーのベンチや顔出しがあれば満点。今の子には分からないだろうなぁ。
昭和生まれだからこそ解かるこの懐かしさ。まだまだ若いつもりでいますが、自分の子供の頃を振り返ると、たった四半世紀前とは思えない現代との隔たりを感じます。アナログな時代、長閑で良かったよなぁ。
思いがけないところで童心に返ってしまい、一人でテンション最高潮。だって、伊豆も江の島も井の頭文化園も、昔はこんなテイストだったんだもん♪
昨日に引き続き、いい意味で昭和の観光地の面影を残す別府にやられっぱなし。はしゃいだまま次の鬼山地獄へと進みます。
中へと入ると独特の色をした熱湯がたっぷりと湛えられた地獄が。その大きなプールほどもある湯量の豊富さにまず圧倒されます。
この鬼山地獄の泉温は99℃以上、噴き出す蒸気は110℃にもなるそう。パイプから蒸気混じりの源泉がゴボゴボと噴き出す姿は圧巻のひと言。
勢いよく噴き出す源泉により、絶えず波立つ湯面。雲の隙間から射す陽の光を反射し、きらきらと輝きます。晴れることのない湯けむり越しに見るその姿は、空と大地の力が描く一幅の絵のよう。
そして、この鬼山地獄のシンボルとも言えるのが、この大勢のワニ達。いくつもの池で大小さまざまなワニが飼育されています。
温泉でワニって、まるで熱川バナナワニ園みたい。と思ってしまった僕。でもこの鬼山地獄のワニ飼育の歴史は相当なものでした。大正12年から飼育を始めたということは、今年でなんと90年。温泉熱利用で熱帯のワニを飼う。そんなことを大正時代からやってのけたのですね。
ひときわ大きいこちらのワニは、二代目イチロウくん。先代のイチロウは飼育されたワニとしては世界最大・最高齢だったそうで、現在も剥製が展示されています。
そんな初代イチロウは71歳で他界。この二代目イチロウは今年で69歳。もうすぐ先代を抜きます。それまで元気でいてもらいたいものです。
よほどこの鬼山地獄の温泉熱が心地よいのでしょう。真冬の2月とは思えないほど、どのワニものんびりと過ごしています。
このワニは、どうやら陸に上がって日向ぼっこをしたい模様。見ているこちらがまったりしてしまうほど、のんびり、のんびりと動いています。
短い手足を必死に引っ掛け、ようやく上陸成功。そのスロ~モ~な動きをみると、ワニといえども何だかかわいく思ってしまうから不思議。
こちらの池にもワニがうじゃうじゃ。中には大きな口を開けて固まっているものも。ワニは変温動物のため、こうやって太陽を当てて体温を上げたり、口の水分を蒸発させて体温を下げたりしているのだそう。
アクリル越しとはいえ、鋭い牙をむき出しにしたワニを間近で見れば迫力満点。でも、心なしか笑っているような表情。こんなにワニをじっくり見たのも久しぶりですが、よくよく見ると可愛げのある動物だということを、今更ながら初めて知りました。
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