車内でリッチな雰囲気を満喫しているうちに、気が付けば新神戸に到着。3時間ちょっとの贅沢でした。
ホテルにチェックインし、早速神戸散策開始。北野へ向かう道は西日で輝いていました。同じオシャレな港町、横浜とはまた違う雰囲気。「神戸」という街のイメージの通り、気品ある空気に包まれています。
程無く洋館たちがお出迎え。古き良き建築が並びます。どの洋館もきれいに手入れされており、現役で使われているからこその美しさがそこにはあります。
立派な木造建築の中国料理店。まさに和洋折衷。日本の文明が幕開けた地の一つである神戸に相応しい建物。
旧館の一つひとつをじっくり見たかったのですが、夕方に着いたため歩きながらの見学。坂を下り海の方へ進むと生田神社に到着。都心のど真ん中に鎮座しています。
今や大震災の爪痕を微塵も感じさせない立派な本殿。神社だけではなく、街をまるごと復興させた神戸の方々の強さには、言葉も出ません。
阪急とJRのガードをくぐり駅の南側へ。しばらく歩くと南京町に到着。横浜の中華街よりはこぢんまりとしていますが、その分本当のチャイナタウンというか、アットホームな雰囲気が漂います。
さらに海へと足を進めると、古い建物が並ぶオフィス街へ。古くより、山手の方は居住地、海側はビジネス街という区分けが続いているのでしょう。重厚な建築にハクモクレンが華を添えます。
神戸のウォーターフロントであるメリケンパークに着く頃にはもう夕暮れ時に。先進的な建物の奥に佇むポートタワーのラインが美しい。
海を背にして街を眺めると、そこはもう色彩を失いつつありました。もうすぐ明かりという、また別の輝きに神戸の街は彩られます。
三宮へ戻ろうと引き返すと、そこには震災の傷痕が。実際に震災が起きるまで使われていた波止場の惨状です。周りがあまりにもきれいに復興されいる分、一気にあの映像が蘇ってきます。
中学生だった僕には余りにもショッキングなニュースで、それ以来今でも東京がいつああなるか、いや確実に大震災は避けられないんだ・・・と恐れつつ暮らしてきました。
実際ここに来て、被害に遭われた多くの方々のご冥福を祈ると共に、たった十余年の月日でここまで復興させた神戸の方々のパワーを痛いほど感じられずにはいられません。
果たして、必ず起こるといわれている関東大震災が起きたとき、僕は生まれ故郷である東京の復興にどれだけ協力できるでしょうか。多分自分の事で精一杯になってしまうでしょう。神戸の方々の神戸に対する愛を垣間見た気がしました。
メリケンパークを後にし、一路三宮駅へ。途中には真新しいビルと歴史的建築が肩を並べていました。神戸には、古くて新しい街という言葉がしっくりきます。
こんなモダンな木造回転ドアも現役で使われています。古い建物はあたたかみがある。今のビルは100年後、こうして人々に大事にされているでしょうか。
そしていよいよ、待ちに待った神戸ビーフを堪能することに。今回お邪魔したのは『ステーキランド神戸館』。
他店なら軽く10000円はするであろうメニューが、半額近いお値段でいただけます。雰囲気も気取らず入れるもので、肩肘張らずに神戸ビーフを満喫するのにもってこいのお勧め店。
今回は特選神戸ビーフのサーロインステーキディナーを注文。オードブルやサラダ、スープにシーフードの鉄板焼きを味わった後に、メインのステーキ。
専任のコックさんが目の前の鉄板で焼いてくれるので、焼き方やニンニク等の好みも聞いてくれます。僕はもちろんミディアムで。
一口お肉を口に入れると、溢れんばかりの肉汁が口中を駆け抜けます。そして後から追いかけてくる肉の濃厚な香りと旨味。なにより柔らかい。噛む必要が殆どありません。あぁ・・・なんて美味しいんだろう。
僕は神戸牛が本当に大好き。今まで食べた牛肉の中で一番、と言っていいと思えるほど。
「高い牛肉=これでもかと言うほどの霜降り」、というのが一般的ないい牛肉という風潮がありますが、肉である以上、赤身の旨味が感じられなければいけません。
その点、神戸牛は甘味と旨味の詰まった適度な霜降りに、濃厚な旨味を宿す赤身。そのバランスの妙といったら、もう僕の語彙では表せる域を遥かに超えてしまっています。もう説明できません。ただ言えるのは、本当に旨い!!
牛の香りに包まれる至福の時を楽しみ、ホテルへの帰路へと就きました。途中の坂にはきらめくライトアップ。初めて訪れた異国情緒溢れる神戸の夜を美しく彩ります。
ライトアップされた教会もまた雰囲気のあるもの。こうして初めての神戸の夜を大満喫しました。明日からはいよいよ本格的なサイクリングです。
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