4日目は、春満開の淡路島を後にし、一路食いだおれの街大阪を目指します。
目覚めるとこんな天気。昨晩は予報通りの雨で、雨音が部屋まで聞こえていたので恐る恐る障子を開けました。ひとまず、雨は止んでいるようです。幸い、この後天気は回復する模様。
朝の雲と霧はどこへやら、出発時刻にはこんなきれいな空が広がっていました。淡路島には電車が無いため、万が一雨でも輪行できないので、本当によかった。気持ちよく走れそうです。
今日で最後の海辺の道を堪能しつつ北上。しっかし、風が強い。昨日までは南風だったのですが、低気圧が通過した関係で今日は北風。昨日までは追い風になる~と喜んでいたのに・・・。
それでもやっぱりきれいな景色にはかないません。関東の海とは明らかに違う、きれいで穏やかな海。
遠くには、うっすらと小豆島の姿が。そういえば、去年高松から宇野へ向かうフェリーからも見えたんだよなぁ。そんなことを思いながら走ります。今度のターゲットは小豆島かな?
行く手がパッと明るくなったと思ったら、そこは一面の菜の花畑。漁村の建物と遠くに見える海の組み合わせがいい。
薫ってくる菜の花の香りに混ざって漂うのは、甘辛い美味しい匂い。淡路名物くぎ煮(小魚の佃煮)の工場が沿道にたくさんありました。匂いだけでご飯が食べられそう。
岩屋港の手前、旧北淡町は野島地区に建つ『北淡震災記念公園』に到着。ここでは震災の当時の映像や、本物の断層を見学することができます。
圧巻なのが、この野島断層。奥と手前2つの断層がはっきりと確認できます。元は平らな田んぼだったと言うから驚き。
側面から見ると、地面が斜めにスライドしている様が見て取れます。地球の威力をまざまざと見せ付けられ、嫌な汗をかいてしまいます。東京にも、こんな断層帯が隠されているのです。
一旦館外へと出て、メモリアルハウスへと向かいます。ここは被災した本当の民家を保存したもの。断層の水平方向のずれにより塀がずれています。
台所では、震災直後の様子が再現されていました。まさにグチャグチャの状態。幸いここに住まれていた方は怪我等をしなかったそうですが、家の中がこんな状態になってしまったら、一体どこから手をつけていいものやら、途方に暮れてしまうことでしょう。
家の裏手もしっかり断層が貫いていました。運良く家の真下からはずれていたため、倒壊は免れたそうです。
次の建物では、阪神淡路大震災の本震と余震を体験することができます。今まで起震車には何度か乗ったことがあり、震度7クラスも体験したことがありましたが、ここのはそんな程度ではありません。直下型地震の恐怖を思い知らされました。
突き上げられたと思ったら急落下。そこに横揺れも加わり、気を付けないと舌を噛みそうになるくらい。こんな揺れが安心しきっている時にいきなり来るわけです。本当に恐ろしい。日本に住む以上は決して避けられない地震、でも絶対体験したくないものです。
地震の恐ろしさを嫌というほど思い知らされた後は、再び岩屋港を目指します。行く手には明石海峡大橋が姿を現し、対岸の明石の街並みも肉眼ではっきりと見える位置まで来てしまいました。こうなると名残惜しくなるもの。
淡路島を離れる前に最後の淡路を満喫しようと、日帰り温泉『美湯松帆の郷』に立ち寄りました。岩屋港のすぐ手前、高台に位置します。
お風呂からは撮影できませんでしたが、露天風呂からの眺めはまさにこれ。絶景を謳う温泉は数あれど、この絶景はかなりイイ線いくのではないでしょうか。
泉質は単純弱放射能低温泉で、さっぱりとしていますが肌のなじみがいい。のぼせたら海風に吹かれて、と繰り返し入浴しました。
温泉を満喫した後は、お腹も満足したいところ。注文したのは淡路牛たたき御膳。厚めに切られた淡路牛のたたきと煮物などのおかずがついています。
淡路牛は、神戸や但馬などのプレミア牛の素牛となる牛で、肉質は一流なのにあまり有名でないため比較的リーズナブルに手に入ります。さすがは牛肉にうるさい関西、文句無くおいしい。もも肉だからこその赤身の旨味が濃厚に感じられます。
身も心も満たされ、いよいよ淡路島を後にする時がやってきました。全行程向かい風という、最後までドSな淡路島。走っていて正直辛いと思うこと数知れず。しかしそれ以上の感動と癒し、そして美味をプレゼントしてくれました。本当に名残惜しい。
船は静かに出港。さようなら、淡路島。ありがとう、淡路島。そして、また来るね、淡路島。
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