1年ぶりの島の世界観を噛みしめつつ歩くこと約30分、コンドイビーチに到着。今年は例年より半月早い、梅雨時の訪問だからね。そう自分の中で予防線を張っていたというのに、まさかこんな全力のあおさが待ってくれていようとは。

今朝起きたときだって、いや、知念商会に行ったときまで曇り空だったじゃないか。それなのに、こんな真夏顔負けの鮮烈さで迎えてくれるなんて。八重山を愛し、そして八重山に愛された。この瞬間、冒頭にも書いたこの気持ち悪い妄想を僕は抱いてしまったんだ。

眼前に広がる、みんさー色の海。織り重なる無限のあおが、ここが帰ってくるべき場所だと訴えかける。今年も八重山のあおさに逢えて、本当によかった。この鮮烈さと再会できた歓びを、しばし呆然と立ち尽くし心の底から噛みしめる。

1年ぶりとは思えぬ手際のよさで、お気に入りのポイントを見つけレジャーシートで場所取りを。シャツを脱ぎ捨て海に飛び込めば、半月早いことを思い出させるひんやりとしたここちよさ。あぁ、控えめに言って最高だ。海と戯れ久々の感覚にくらくら来たところで、冷たいオリオンであっり乾杯!

ここで取り出すのが、今朝『知念商会』で仕入れたカレーウィンナー。しっかり食感の厚めの衣はカレーがふわりと薫り、ウィンナーのジャンキーさと相まって冷たいオリオンに合わない訳がない。

はぁ、しあわせだな。最初のころはあそこにも行きたいこれも食べねばと欲張っていたが、いまはビールにお惣菜、そしてこのあおさが在るだけでもう充分だ。こんなことを思えるようになるなんて、十年前の自分には想像できなかったな。

袋に入れて時間がたっても、べったりしたり油っぽくならない知念商会の揚げ物。そんな不思議な力をより発揮するのが、名物となったおにぎりと揚げ物の組み合わせ。
おにぎりとささみフライを組み合わせた「オニササ」が定番ですが、今回はじゅーしーおにぎりとメンチカツを合わせて「オニメン」に。食べる前にぎゅっと潰し、大口開けていただきます。
本当に、何度食べてもこりゃ不思議だわ。おにぎりとフライを一体化させると、なぜだか一品として進化してしまう。
冷めてもサクサクの、肉感あるメンチカツ。たっぷり目に掛けたソースも、やさしい味わいのじゅーしーを邪魔しない。オニメン、もしかしたら自分的過去一のコンビかも。

1年ぶりの知念商会に舌鼓を打っていると、あっという間に干潮に。先に偵察に行っていた相方さん曰くもうひざ下くらいだというので、僕もカメラを携え砂の島へと渡ることに。

ちゃぷちゃぷと海水と戯れつつ歩き、時間限定の島に上陸。そこに待ち構えるのは、この絶景。網膜を灼くような白い砂、おだやかに広がる海のあお。それを見守る石垣の島影も、視界のすべてが八重山色。

波打ち際へと立てば、全身を撫でてゆく海風。足元から聞こえるのは、カラカラと波が珊瑚を洗う音。ここにこうして無心で佇めば、日々のあれこれなどあっという間に漂白されてゆく。

小浜や西表方面を眺めれば、ゆったりと弧を描き横たわるみんさー色の海。日本最大の珊瑚礁である、石西礁湖。その生み出す幾重ものあおは、一度浴びてしまうと決して忘れることなどできやしない。

ほんの数時間前まで、こんな全力なあおさに逢えるなんて思っていなかった。だからこそ、今日のこの鮮烈さが沁みてくる。今年も、ただいま。強い風のなか声にならぬほどの小声でそう呟けば、なぜだか胸の奥がぎゅっとなる。

網膜を焦がすほどの鮮烈さ、じりじりと肌を灼く陽射しの滾り。ビーチ初日だというのに、楽しすぎてやっぱりやらかした。心身ともにすっかり焦がされたところで、名残惜しくもそろそろ帰ることに。
今年も無事に、八重山のあおさに再会できた。そんな実感を連れてくる、肌を火照らす赤黒さ。まだ6月初頭だというのに、もうすっかり夏色だ。先どりの夏休みに放り出され、はやくも八重山色に染めあげられるのでした。



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