奥入瀬渓流。テレビや本などでその美しい姿を目にしたことがある方も多いと思いますが、僕もそのうちの一人。
その水と木々の織り成す美しさに、かれこれ20年以上も憧れ続けてきたこの地。ようやくこうして訪れることができました。
奥入瀬渓流を下流の焼山から十和田湖まで歩こうとすると、約14kmのみちのり。レンタサイクルも考えましたが、初の奥入瀬、やはり手に取るほどの距離で楽しみたいと歩くことに。
今夜は弘前でねぷたに逢うため、時間の都合上焼山からの散策は断念。バスをその先の石ヶ戸で降り、奥入瀬渓流散策を始めます。
石ヶ戸からなら十和田湖子ノ口まで9km足らず、写真を撮りながらのんびり歩いても2時間半程度で着きます。これなら帰りのバスに余裕を持てる距離と時間。
さあこれからいよいよ、初めての奥入瀬渓流さんぽ。秋の紅葉が有名ですが、夏真っ盛り、元気な緑に包まれた奥入瀬の美しさを、写真メインでお伝えしていきたいと思います。
奥入瀬渓流を歩くとまず感じるのが、木々の多さと川の近さ。湿潤な環境なのか、木々や岩に映える苔の緑の美しさがとても印象的。
真夏の勢いの良い木々の葉に覆われる渓流。その葉の隙間を縫って、夏の日差しがスポットライトのように降り注ぎます。
それにしても、本当に苔の緑が美しい。やわらかさをもったそのみどり色は、木々の葉とは違うビロードのような表情。
8月だというのに、まだきれいにあじさいが咲いています。木と水、土のおかげか、夏の暑さは感じずものすごく爽やかな散策。下界との気温差に驚きます。
途中いくつかの滝を眺めつつ歩く道。そして現れるひと際大きな雲井の滝。有名なようで、車やバスを降りて眺める人が多くいます。
夏の木漏れ日に照らされる雲井の滝。落ちる水は銀糸のようにきらきらと繊細に輝き、一服の清涼を与えてくれます。
奥入瀬渓流は流れの緩急が見どころ。白いしぶきを立ててさらさらと流れる場所もあれば、こんな静かな部分も。木々に守られるようにして流れる姿は、穏やかそのもの。
渓流沿いには多くの滝があり、それらを眺めながら歩くのもひとつの楽しみ。夏の鮮やかな緑に彩られた姿は、この時期ならではの美しさ。
歩きはじめは曇り空でしたが、もうすっかり晴れてくれました。夏の太陽はもみじの葉を透かし、陰影をレースのように描き出します。
白波を立てて流れてきた水が一変、穏やかな流れに。その変化を見守る森の緑は深く、ベタだけれどもマイナスイオンたっぷり、という言葉が自然と浮かびます。
この奥入瀬渓流は十和田火山の噴火によってできたそう。そのため、川のあちこちに大小の岩が転がっています。
ごつごつとした岩を洗う水の流れと、岩肌を彩る植物の緑。この岩こそが、奥入瀬渓流を印象付ける存在。岩が流れと色彩に緩急を付け、表情を生み出します。
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