蔵王山麓での爽やかな目覚め。窓の外には絵具を流したような鮮やかな朝の空が。目を覚まして一番に見る光景が、空の青と山の碧。これ以上贅沢なことはありません。
熱~い青根の湯で頭と体を目覚めさせ、お待ちかねの朝食へ。夕食がとても美味しかったので、朝ごはんも自ずと期待が膨らみます。その期待に応えてくれるように、テーブルには色々な品が並んでいます。
宮城らしい笹かまや、温泉卵、たらこなどを少しずつ楽しめるのが嬉しいところ。特に鯖の煮付けが抜群の美味しさ。しっかりと煮付けられているのに、鯖の脂は抜けずに残っており、これだけでご飯がいくらでも食べられそう。
隣にもフレームに収まりきらなかった小鉢が。しゃきしゃきとろとろのめかぶに、美味しく煮られた太いひじき。奥のゆばは濃い豆の風味が美味。
夕食、朝食と手が掛けられた美味しいお料理で楽しませてくれた、岡崎旅館。日本酒の品揃えも良く、本当に大満足な一泊となりました。宮城でまたひとつ、再訪したい場所が出来ました。
帰りも宿の方にロイヤルホテルまで送っていただき、『宮城交通』のバスで白石蔵王駅へと向かいます。そこからは、仙台を経て一ノ関まで新幹線の旅。いつもの馴染みの新幹線に乗り込みます。
新幹線はスピードを上げ、元気に育つ田んぼの中を駆け抜けます。東北のこの景色、本当に好きだ。
流れる田園風景を楽しむのも束の間、あっという間に仙台の街並みが見えてきます。すると、仙台到着間際で一旦停車。そのまま動かないなぁと思っていると、仙台の先で停電が発生してしばらく運転は見合わせるとのこと。うわぁ、この先行きたいところがあるのに。
何とか仙台には到着しましたが、その先の区間の運転再開の目途は立っていないそう。諦めて在来線に乗って先を急ぐかと決めかけた時、運良く運転再開の知らせが。いやぁ、しばらく待ってみて良かった。
無事に一ノ関に辿りつき、予定通りの在来線に乗り換えることができました。これに乗らなければ、あの場所には行くことができない。楽しみにしていただけに、間一髪で繋がったことに感謝感謝です。
バタバタとしましたが、無事に平泉に到着。前回初めて訪れてから時は経ちましたが、再び降り立ってみると、その時の想い出が鮮明に蘇ります。それだけ、初めての平泉が印象深かったということ。
時刻は丁度お昼時。極楽浄土へ向かう前に、まずは腹ごしらえ。駅前から延びる道沿いの左手にある、『麺房髙松庵』へと入ります。
注文したのは、天ぷら漬け菜そばと、単品の暮坪かぶおろし。こちらのお店のおすすめはこの暮坪かぶだそうで、独特の辛味があります。その風味はこれまで食べたことの無い感覚で、辛味大根ともまた違うもの。
まずは気になって注文した、漬け菜そばをそのままひと口。黒めのそばですがつるつるとした喉越しがある美味しいおそば。刻まれた菜っ葉の漬物と一緒に噛めばシャキッとした食感と漬物の旨味が楽しめます。上に載った梅肉もいいアクセントに。
そして暮坪かぶを加えて混ぜてみると、独特の辛味が全体に広がり、また違った美味しさに。さくっと揚がった天ぷらを時折挟みつつ、しゃきっと、つるっと、ぴりっとで一気に頂きました。そばもおろしも漬物も、みんな好物のものばかり。僕にとっての幸せメニューです。
美味しいおそばを楽しんでいると、外がいきなり騒がしく。まさか!?と外を見てみれば、ものすごい勢いの雷雨。それもどんどんと勢いは増すばかり。とてもじゃないけれど外へ出られる状態ではありません。
今夜の宿泊地までのアクセスを考えると、平泉に滞在できる時間にも限度が。新幹線を止めた奴がここまで追いかけて来たか。せっかく平泉まで辿りついたのに、あの極楽浄土を見ることができないかもしれない。早く雨が止むことばかりを願いつつ、おそば屋さんでしばらく雨宿りさせて頂くのでした。
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