印象的な空間で特徴的なマルカンラーメンを食べ、再び花巻の市街地をのんびり散策。旧花巻城内にあたる街を、ぶらぶら歩いてみます。
途中には立派なお堀を発見。大部分が公共施設や街に変わっている花巻城の中で、ここがお城であったことを主張する存在に出くわし、思わずビックリ。
そのまま進み公園を見つけたので、中へと入ってみることに。その階段を上ると、そこに立派な門が現れたのでまたまたビックリ。この門は、平成に入ってから再建された本丸の西御門とのこと。
その門をくぐると、そこは本丸跡。鳥谷ヶ崎公園と名を変えた本丸跡には、大きな空間が広がり、快晴の秋の空と相まってとても開放的な雰囲気。
公園を縁どる木々は色付きはじめ、特に端に植えられた立派な紅葉が目を引きます。近付くと、たくさんの葉が暖色系のグラデーションを彩っており、冴えわたる秋空との対比が絶妙。
この日は文字通りの快晴。本丸跡からは、広い花巻の街並みと、遠くに横たわる山々を一望のもとに。
以前イトーヨーカドーに来た際に、向かいに公園があるな、くらいにしか思っていなかったこの公園。ふらりと寄ったこの場所には、意外にも花巻城の面影がたくさん詰まっていました。
鳥谷ヶ崎公園の向かいにあるイトーヨーカドーで今後3日分の食糧を買い足し、『岩手県交通』の新鉛温泉行きバスに乗車し、宿へと戻ります。
大沢温泉の目の前を通るこのバスは、日中時間帯はイトーヨーカドー始発なので、買い出しに本当に便利。車を持たない者でも気軽に湯治できる大きな理由のひとつです。
今回の買い出しは、ほたて、たら、かき、わかめ、ひじき、豆腐、小松菜、しわきゅうり、茎わかめ味噌漬け。どれも岩手、東北のものばかり。
そして訪れた晩酌の時間。今夜のメニューは、漬物入り鱈と揚げの味噌鍋、小松菜とほたての味噌炒め、しわきゅうり、茎わかめの味噌漬。
鍋に漬物は、もう湯治での僕の常套手段になってしまいました。毎日買い物に行けない湯治生活では、日持ちする漬物はありがたい存在。鍋にすれば、漬物の持つ旨味が鍋をより美味しくしてくれ一石二鳥。
今宵も適当だけれどシンプルで旨いつまみたち。それに合わせるのは、紫波町の月の輪酒造店が造る、純米酒月の輪秋あがり。フレッシュな新酒も好きですが、ひと夏を経て落ち着いた深みを感じる秋あがり、ひやおろしも好き。
久々に外界に出た湯治4日目。生まれて初めて命がけの鮭の遡上を目にし、秋色に染まる花巻城跡に出会い。そんな出来事を思い出しながら味わう、月の輪秋あがり。五臓六腑にしみじみと染み渡るようなその旨さに、己の芯から秋に染まりゆくのを実感しつつ、静かな湯治の夜を過ごすのでした。
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