2014年、夏。今年は過去最高に仕事が忙しい。忙しい上に、代務ができる人の限られた仕事を担当している。だから、絶対に長期間の旅行なんて無理だと思っていた。
それでも、どうしても行きたい。絶対に行かなければならない。東北の夏を感じに行かなければ。僕の強い思いは東北の神に届き、最上級の、一番熱い夏をプレゼントしてくれた・・・。
なんだかおかしな書き出しになってしまいましたが、この旅は本当に、本当に熱くて、濃くて、思い出ばかりで・・・。
これからもこれくらい良い夏旅に出会えるかもしれませんが、これ以上はきっと無い。そう断言できるほどの、思い出深い夏の旅。そんな僕の最高の七日間をお裾分けしたいと思います。
いつもの、と言ってもここ最近はご無沙汰だった東京駅新幹線ホームから、いつもの東北新幹線に乗り込みます。荒川を渡って無事東京脱出を果たし、早速祝杯を挙げることに。
今回のお供は、東京駅のグランスタにあるいつもの酒屋さんで仕入れた、むすび丸が可愛いワンカップ。僕の大、大好きな伯楽星を造っている新澤醸造店のお酒が満たされています。味わいは、旨くない訳がありません。本当にここのお酒、好きだなぁ。そしてむすび丸!!今から行くからね!!
この日は明けで、朝ごはんも昼ごはんもまだ。そこで登場するのはもちろん駅弁。いつもならばこれから向かう地の駅弁を食べて気分を高揚させるところですが、今回は焦らずとも一週間も時間がある。ということで敢えて東北以外のお弁当を選択。千葉は万葉軒の調整する、潮干狩り弁当を買ってみることに。
最近ではお肉より魚の方が好きなのもありますが、なぜ万葉軒のお弁当にしたかというと、子供の頃にホリデーパスで千葉へ行った帰りに食べたやきはま弁当が美味しかった記憶があったから。
その記憶を胸に早速蓋を開けると、貝がたっぷりと入っており、早くもにやけ顔。まずは煮あさりをひと口。生姜が効いており、味付けも丁度良い塩梅。手前のはまぐりはもう少しだけ甘辛く、こちらもあとひく旨さ。
だしで炊かれたご飯との相性ももちろんですが、これは日本酒に合わない訳がありません。ご飯そっちのけで、貝をつまみに飲んでしまいます。やっぱり万葉軒の貝の味付けは旨い。好みです。
でもご飯を持て余すことはありません。ご飯自体の味付けも丁度良く、鰯のだんごやいかの味噌漬け、煮物などのおかずも入っているので、ワンカップ片手に飲んで食べてを楽しめます。
新幹線は高速で走り、僕の想いを東北へと向かわせます。まばゆいばかりのコントラストを見せる濃淡の緑と、絵に描いたような夏の空。東北の夏、僕の夏。僕の描く日本の夏のイメージそのものの車窓に、早くも気持ちが昂ります。
やまびこ号は順調に走り、福島県を抜けて宮城県へ突入。間もなく到着のアナウンスが。あっという間の列車旅、荷物を整えてデッキへと向かいます。ドアの向こうには青く聳える蔵王の山。これから僕はあの麓へと向かうのです。
そして到着した、白石蔵王駅。初めて降りる駅は、何となくワクワクするものです。これから向かうは、伊達家ゆかりの温泉場。この暑い中で熱い温泉に入ることを考えるだけで、期待で心が熱くなります。
バスの時間までは少し余裕があるため、ここであの名物を食べてみることに。ここ白石蔵王駅には、珍しい立ち食いそば屋ならぬ立ち食い温麺やがあるのです。この手軽さ、旅行客にはありがたい。
注文したのはもちろん温麺。僕にとってこれが初うーめん。どんな麺だろうかと口に運んでみると、まずはその短さに驚きます。そう言えばスーパーでも白石温麺を売っていますが、確かに短い。そして肝心の味はそうめんと冷麦のあいのこのような感じ。油を使わずに作るという温麺は、味も食感も体に優しい美味しさです。
初白石に初温麺。考えてみれば宮城で仙台近郊や鳴子以外に来るのは久しぶりであることを思い出し、まだ見ぬ新しい宮城に期待が膨らむのでした。
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