金沢発、飛騨経由、信濃ゆき。~やりたいことを結ぶ旅 7日目 ⑤~ | 旅は未知連れ酔わな酒

金沢発、飛騨経由、信濃ゆき。~やりたいことを結ぶ旅 7日目 ⑤~

信州秘湯中房温泉不老泉への渡り廊下 旅の宿

ビールで火照った体をクールダウンし、しばしまどろむ幸せな午後。早めにチェックインさせて頂けたため、こんなにのんびりしてもまだこの明るさ。

夕飯まではまだ時間があるので、再びお風呂巡りを再開します。まずはお部屋のすぐ近くにある不老泉へ。

信州秘湯中房温泉不老泉

木の香り漂う渋い浴室の中央には、どんと大きな浴槽。しずかに流れる源泉で満たされた湯船へと浸かれば、柔らかい浴感のお湯に全身が包まれます。天井の高い木造りの浴室と、優しいお湯。内湯ならではの心地よさというものを再認識させてくれます。

信州秘湯中房温泉重要文化財の建物

不老泉で静かな時間を過ごし、また次のお風呂へ。本館の古い渡り廊下を進み、より一層古い建物へ。

お風呂の入口から右を見れば、重要文化財に指定された歴史ある建物の内部を垣間見ることができます。残念ながら関係者以外立ち入り禁止のようですが、ここからでもその渋さが伝わってきます。あぁ、泊まってみたいなぁ。

信州秘湯中房温泉お殿様も入ったという御座の湯

そしてこちらがお風呂巡り最後の御座の湯。ここ中房温泉の中で一番歴史のある浴槽だそうで、松本藩主も入ったお風呂とのこと。

年季を感じさせる木で造られた浴室と、これまた木で造られた浴槽。年月を経た木のお風呂は肌触りが滑らかで、優しいお湯を一層柔らかく感じさせます。

シンプルイズザベスト、古から伝わるお湯の愉しみ方そのもの。小ぢんまりとした静かな浴室には、温泉におけるわびさびが詰まっているかのよう。

信州秘湯中房温泉夕食

駆け足ながら存分に湯巡りを楽しんだ後は、お待ちかねの夕食の時間。新館のお食事処で頂きます。

テーブルに並ぶ山の幸の数々。行者にんにくのお浸しやアマゴの南蛮漬け、信州牛のしぐれ煮はお酒にぴったり。うどの山うどのきんぴらは香り高く、この時期ならではのご馳走。

てんぷらも多彩な山菜が使われており、どれもさくっと揚げられています。たらの芽やふきのとう、こしあぶら、いたどりといった定番から、初めて食べるあかそうというものまで。

特に印象的だったのが山葡萄で、赤紫色をした葉を食べれば、その実を思わせるほんのりとした酸味が。初めて山葡萄の葉の天ぷらを食べましたが、とっても美味。

信州秘湯中房温泉鴨鍋

こちらは鴨鍋。味わいのある赤身と適度に付いた脂身から出る美味しいだしが、野菜をもっと美味しくしてくれます。味付けも丁度よく、鴨と野菜の味を楽しめるひと品。こりゃ大雪渓がすすみます。

信州秘湯中房温泉信州サーモンのお造りと鯉のあらい

続いて、信州サーモンのお造りと鯉のあらい。程よく脂ののった信州サーモンはもちろん、鯉のあらいがまた絶品。全く臭みが無く、こりっとした歯ごたえの鯉を頬張れば、大雪渓が止まらなくなります。

信州秘湯中房温泉蓮根まんじゅう

こちらは蓮根まんじゅう。まっしろなおまんじゅうはふんわりと口どけの良い食感で、蓮根の香りが広がります。

中にはひき肉の餡が詰められ、優しいおまんじゅうを食べごたえのあるものにしてくれます。日が暮れ始め、少し肌寒くなってきた山の宿では、こんなあったかい一皿がとても嬉しいものです。

信州秘湯中房温泉そばがき
そしてこちらも温もりが嬉しい一品、そばがき。山水館信濃で頂いたものとはまた違った食感で、こちらのほうはねっとり、まったりといった感じ。こちらのそばがきもまた好みで、信州のそばの旨さをしみじみと感じます。

信州秘湯中房温泉暮れかけの空と渋い建物

美味しい信州の味とお銚子2本を平らげ、すっかりご機嫌に。部屋へと戻りごろんと寝転がれば、そこにあるのは渋い建物とそれを包む暮れかけの空。

このふとした瞬間が、山の秘湯でしか味わえないきわめて贅沢な時間。秘湯にはそんな贅沢な瞬間が散りばめられている。だからこそ、こんな旅がやめられない。

信州秘湯中房温泉夜の岩風呂

日が落ちてすっかり暗くなり、お腹も落ち着いたところで温泉へと向かいます。女性専用時間帯で入れなかった岩風呂へ行ってみることに。

塀の外には湯けむりが光で浮かび上がり、どことなく幻想的な雰囲気。露天風呂ながら、開放的なものとはまた違う趣に、これまた気に入ってしまいました。

中房温泉のお風呂は本当に全て表情が違う。ひとつの宿でここまで湯巡りできるなんて、楽しすぎます。

信州秘湯中房温泉夜のお供に姨捨正宗

大きな湯船に掛け流される源泉を独り占めし、部屋へと戻って晩酌タイム。まずは名前に惹かれて買った、千曲市は長野銘醸の姨捨正宗特別純米。姨捨山から来ているのでしょうが、字面を見るとやっぱりすごい名前だなぁ。

姨捨の文字を見つつひと口。酸味を感じるすっきり辛口は僕好み。長野も酒どころ、どのお酒を飲んでも外れがありません。もちろん、この姨捨正宗もそんな美味しいお酒のひとつ。

信州秘湯中房温泉夜のお供に信濃のかたりべ

続いては、佐久市の大澤酒造の純米酒信濃のかたりべ。素朴なラベルが目を引いたので買いましたが、地元のかたりべ会や様々な大学の学生が、佐久の地で田植えから稲刈りまでを行って作られたお米が使われているそう。

そんなこだわりのお米からできた純米酒は、口当たりが良くまろやかな飲み口。際立った酸味や香りも無いためすっきりと飲みやすく、お腹の底へとじんわり沁みるような美味しさを感じます。

信州秘湯中房温泉夜の大湯

旨い信州の酒に酔いしれ、外の風を浴びに出ます。地熱温浴に寝転がって無数の星と月を愛でつつのんびりうとうと。そして本館へと戻り、闇と静けさに包まれた大湯で体の芯から温まります。

長きに渡り泊まり歩いてきたこの旅も、今夜が最後の夜。お湯が流れる心地よい音を聞きつつ、眼を閉じこの旅を回想する。この瞬間がいつまでも続いて欲しい。そんな叶わぬ願いを浮かべつつ、この至福の夜を心ゆくまで味わうのでした。

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金沢発、飛騨経由、信濃ゆき。~やりたいことを結ぶ旅~
初夏の白川郷この時期ならではの逆さ合掌
2013.6 石川/岐阜/長野
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