GW 列島半分 ぐるり旅 ~願えば海路の日和あり 6日目 ②~

新日本海フェリーはまなすギャラクシー感のある吹き抜けの天井

日本海を駆ける高速船同士の離合の速さに圧倒され、再び船内へと戻ります。それにしてもこのはまなす、いろんなところがギャラクシー。三十半ばの僕でもおおっ!とさせる独特な世界感に、すっかりとハマってしまいます。

新日本海フェリーはまなすコインランドリーで洗濯を
長期となる今回の日本半周旅。そのため着替えは日数分の半分だけ持参し、船内のコインランドリーで洗濯することに。さすがはドライバーさん御用達のフェリーならではの設備。船上での長い時間を有効に活用できるのもまた嬉しいところ。

新日本海フェリーはまなす静かなフォワードサロンから眺めるゴールデンウィークの鉛色の日本海
洗濯機を回している間、静かなフォワードサロンで過ごします。することもなく、ただひたすらに無心で鉛色の海原を見つめるひととき。あぁ、日本海。日本海が自ら日本海らしさを演出しているようなこんな天気も、また味わい深い。

新日本海フェリーはまなすコインランドリーで洗濯した衣類を寝台で畳む
灰色の海の情緒にどっぷりと浸ったところで、そろそろ仕上がりの時間。乾燥まで終えた衣類を取り上げ、寝台で畳みます。

ふとこの瞬間、何気なく感じる生活感。やっぱり船は僕に合っているのかもしれない。1ヶ月でも2ヶ月でもこうして、どこか遠い場所を目指してみたい。豪華客船でなくてもいいから、船で世界一周をしてみたい。

新日本海フェリーはまなすレストランで食べる海老味噌風味ラーメン
封印していたはずの船旅欲求が全開になってしまったところで、お昼を食べにレストランへと向かうことに。多様なメニューが誘ってきますが、ここは迷わず心に決めていた海老味噌風味ラーメンを注文。

冷えたクラシックで北の余韻を味わいつつ待つことしばし、お待ちかねのラーメンが運ばれてきます。丼が置かれると、すぐに鼻をくすぐる海老の香り。この時点で、海老好きの僕はもう食欲全開。

スープをひと口啜ると、口中に広がるしっかりと溶け出した海老の風味。味噌も船上のレストランとは思えないほどしっかりと濃く、地上のお店で食べたいと思える本格的なクオリティー。

続いて麺を。黄色味掛かった麺はつるつるとコシがあり、味噌スープとの相性もピッタリ。載せられた干し桜えびが縮れ麺によって時折口へと運ばれ、その瞬間広がる香ばしさもまたいいアクセントに。

新日本海フェリーはまなす船上で食べる本格的なラーメンを味わいオープンデッキで食後の海を眺める
船上とは思えぬしっかりとした美味しさのラーメンを味わい、レストラン後方のドアから出てオープンデッキへ。

海老の香りの余韻を味わいつつ眺める、食後の日本海。本州から遠いところを航行しているため、陸地の影は見えずひたすら海が広がるだけ。海原のどまんなかを航海しているというこの感覚に、今一度酔いしれます。

新日本海フェリーはまなす売店で購入したにしんの燻製と真名鶴純米酒ワンカップ
大海の浪漫に酔ったところで、今度は酒の酔いを愉しむことに。はまなすには売店があり、小ぢんまりとした中にも自社の航路にまつわる産品がぎゅっと凝縮された濃い品揃えが印象的。

そんな中から選んだのは、北海道の幸であるにしんの燻製と、福井は大野市の真名鶴純米酒ワンカップ。北海道、秋田、新潟、福井、そして京都。酒処味処を結ぶ新日本海フェリーは、呑兵衛泣かせの航路でもあります。

新日本海フェリーはまなす灰色の日本海を眺めながら真名鶴ワンカップを
視界を占める、濃淡の灰色。ワンカップを呑むのにこれほど似合う状況はあるだろうか。晴れ渡る青い海と空も航海の醍醐味なら、こんなどんよりとした演歌の世界もまた、船旅の醍醐味。

にしんをアテに、旨い真名鶴をちびちびと飲る昼下がり。窓の外には、うねりが見える日本海。それをこうしてしみじみ味わえるのも、この船が本当に揺れにくいからこそ。荒れる日本海を通年航行するという気概が、安定感ある乗り心地から伝わるかのよう。

ある意味絶好の日本海日和ともいえるこの天気。風情はあるが、波はない。少々のうねりにも動じずどっしりと構える船の安心感に身を任せ、昼酒の味に心酔するのでした。